小反落、値がさ株の一角が売り

21日午前の日経平均株価は小幅に反落し、前引けは前日比12円44銭(0.05%)安の2万7519円50銭だった。
 
きょう前場は、方向感の定まらない展開で朝方に日経平均株価は下値を模索する動きとなったが、その後は急速に値を戻す展開で結局前引けは小幅マイナス圏で着地する展開となった。前日の米国株市場がプレジデントデーの祝日に伴う休場であったことから手掛かり材料難が意識され、模様眺めムードに。先物主導で不安定な値動きながら、比較的狭いゾーンでの往来に終始した。
持ち高調整の売りがやや優勢だった。半面、大型株の一角には買いも入り、下げ幅は限定的だった。
日経平均は小幅ながら上げに転じる場面もあった。主力のバリュー(割安)株や高い配当利回りの銘柄の一角に買いが続いたことが支えになった。
 
日経平均や東証株価指数(TOPIX)の下値を支えている為替の円安については、週末のイベントを控える中、1ドル=135円の節目を手前に一服となっている。
 
米商品先物取引委員会(CFTC)が公表している投機筋の円ポジションをみても、直近のデータではネットでほぼ中立水準近くまで円の買い戻しが進んでおり、海外勢による金融緩和の修正および円高への思惑は根強いと思われる。米国のインフレ懸念の根強さ、利上げ長期化観測の高まりからドルの底堅さが見られているが、現水準からの一段の円安進行余地は大きくないと考える。
外部環境の不透明感がくすぶる中、当面は3月期末の配当権利取りを狙ったバリュー(割安)株、高配当利回り株の相対優位性が続きそうだ。
 


東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆1280億円、売買高は5億159万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は603と、全体の約3割にとどまった。値上がりは1134、変わらずは99銘柄だった。
 
業種別株価指数(全33業種)では陸運業、空運業、銀行業の下落が目立った。上昇は鉱業、非鉄金属、繊維製品など。
 
個別では、レーザーテックが軟調、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも売りに押された。日経平均への寄与度が高いソフトバンクグループ(SBG)、ファーストリテイリングも安い。メドレー、マネーフォワードなどグロース株も総じて冴えない。決算短信における継続企業の前提に関する注記記載が嫌気されたツバキ・ナカシマは急落している。
 
半面、日本製鉄や日本郵船がしっかり、三菱商事も高い。武田薬品工業が買い優勢。国内証券の新規買い推奨で大黒天物産が急騰したほか、三菱製紙も値を飛ばした。
ホシデンはシティインデックスイレブンスの大量保有の判明を材料にそれぞれ急伸。西松建設は中期経営計画の発表で見直し買いが活発化。東京精密は国内証券のレーティング格上げで買われた。

 

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