27日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前週末比72ドル17セント(0.2%)高の3万2889ドル09セントで終えた。
米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑制のために進めている利上げが長期化するとの懸念から、株式市場は2月半ば以降、売りに押されている。ダウ平均は前週に週間で1000ドル超下落し、今年最大の下げ幅を記録した。
このため27日は値頃感が意識され、寄り付きから買いが入った。朝方に米長期金利が大きく低下したことも、ハイテク株や成長株が買われた。
朝方に昨年11月以来の高水準に上昇した長期金利が下げに転じたのも、株の買い安心感につながった。
長期金利低下で相対的な割高感が薄れた高PER(株価収益率)のハイテク株が買われ、ダウ平均は午前に一時370ドル高となった。ただ、買い一巡後は伸び悩んだ。米連邦準備理事会(FRB)による利上げ長期化への警戒がくすぶり「値動きが不安定になりやすい」との指摘があった。
週内に米サプライマネジメント協会(ISM)の製造業と非製造業の景況感指数など重要な経済指標の発表を控える。景気動向が金融政策を左右するとあって経済指標を見極めたい投資家が多く、積極的に運用リスクを取る雰囲気は乏しかった。ダウ平均は午後に小幅安に転じる場面があった。
個別では建機のキャタピラーや航空機のボーイング、金融のJPモルガン・チェースなど景気敏感株の一角が上昇。ハイテクではスマートフォンのアップルと顧客情報管理のセールスフォースが高い。一方、半導体のインテルや小売りのウォルマート、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスは下落した。
ナスダック総合株価指数は反発した。前週末比72.037ポイント(0.6%)高の1万1466.979で終えた。電気自動車のテスラが5%高で終えた。
【シカゴ日本株先物概況】
27日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前週末比205円高の2万7535円で引けた。
NYダウは、ここ最近売りがかさんだ反動で安値拾いの買いが入り、小反発した。
前週末にかけて軟調さが目立った欧米の株価指数が反発するにつれて日経平均も堅調に推移した。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
27535 ( +125 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
27535 ( +125 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7935.11(+56.45)
27日のFTSE100種総合株価指数は5営業日ぶりに反発した。前週末に比べ56.45ポイント(0.72%)高の7935.11で取引を終えた。前週末まで4日続落していたため、自律反発を期待した買いが入った。
個別では、航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスが6.6%高と上昇率トップ。賭け屋大手エンテイン(3.8%高)や流通大手セインズベリー(3.1%高)も堅調だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15381.43(+171.69)
27日のドイツ株価指数(DAX)は反発した。前週末に比べ171.69ポイント(1.13%)高の1万5381.43で終えた。前週末に急落していたため、値ごろ感に着目した買いが増えた。自動車株や小売株など消費関連銘柄や金融株など幅広い銘柄が買われた。
個別では、金融大手コメルツ銀行(4.6%高)や自動車部品大手コンチネンタル(3.1%高)が買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7295.55(+108.28)
フランスCAC40種指数は1.51%高だった。
米利上げの長期化観測による売りが一服し、買い戻しが優勢となった。
