1日のNYダウ工業株30種平均は小幅に反発し、前日比5ドル14セント高の3万2661ドル84セントで終えた。
米連邦準備理事会(FRB)の利上げ長期化観測から長期金利が4%台に上昇する場面があり、株式相場の上値を抑えた。全体に買い控えムードが強い中、個別の材料で上げた銘柄がダウ平均を押し上げた。
朝方明らかにされた米サプライ管理協会(ISM)の2月の米製造業購買担当者景況指数(PMI)によると、PMIを構成する価格指数が大幅に上昇。インフレ懸念が強まり、米長期金利の指標である10年物国債利回りが心理的な節目の4%に乗せたのを嫌気し、ダウは売り優勢の展開となった。
ただ、売り一巡後は再びプラス圏に浮上するなど、ISMのPMI公表後は重要な材料に乏しく、総じて前日終値を挟んで方向感に乏しい展開が続いた。
長期金利が一時、昨年11月以来となる4%台に乗せ、相場の重荷になった。金融引き締めが消費を冷やすとの見方から、ホームセンターのホーム・デポや映画・娯楽のウォルト・ディズニーなど消費関連株が下げた。スマートフォンのアップル、ソフトウエアのマイクロソフトも安い。ダウ平均は150ドルあまり下げる場面があった。
ダウ平均が小幅上昇で終えたのは、個別の買い材料が出た銘柄の寄与が大きい。労使契約で合意しストライキ懸念が後退した建機のキャタピラーが4%高で終え、1銘柄でダウ平均を60ドル押し上げた。物言う株主が複数の取締役候補を会社側に推薦したと伝わった顧客情報管理のセールスフォースは2%上昇した。
ナスダック総合株価指数は続落した。前日比76.059ポイント(0.7%)安の1万1379.485で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや半導体のエヌビディアが下げた。
【シカゴ日本株先物概況】
1日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前日比60円高の2万7485円で引けた。同日の東京株式市場で日経平均株価が上昇し、日経平均先物にも買いが波及した。
NYダウは方向感に欠ける値動きが続く中、小反発した。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
27485 ( -45 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
27485 ( -45 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7914.93(+38.65)
1日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日に比べ38.65ポイント(0.49%)高の7914.93で取引を終えた。1日の中国株高が投資家心理を明るくした。中国経済の回復期待を背景に資源株やエネルギー株に買いが入った。
約6割の銘柄が上昇した。個別では、エンジニアリング会社ウィアーグループ(6.3%高)が上昇率トップで、リオ・ティント(4.6%高)など資源関連株も堅調だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15305.02(-60.12)
1日のドイツ株価指数(DAX)は続落した。前日に比べ60.12ポイント(0.39%)安の1万5305.02で終えた。欧州中央銀行(ECB)が利上げを長期化するとの観測から、ユーロ圏の景気懸念が強まった。
個別では、不動産大手ボノビア(6.2%安)や医療サービス大手フレゼニウス・メディカルケア(4.0%安)などが売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7234.25(-33.68)
フランスCAC40種指数は0.46%安だった。
中国経済の回復期待から軒並み上昇して始まったものの、取引終盤にかけて値を消した。
