ダウ続伸341ドル高、利上げ巡る過度な懸念後退

2日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比341ドル73セント(1.0%)高の3万3003ドル57セントで終えた。

序盤から中盤にかけ、必需品株などに支えられ、ダウ平均は上値が重いながらもプラス圏を維持。一方、ナスダックやS&P500種株価指数はマイナス圏で推移した。米長期金利の上昇を嫌気して売られたハイテク株が相場の重しとなった。

また、朝方発表の米経済指標がインフレ圧力の根強さを示す内容だったことも株価を圧迫。新規失業保険申請件数は2週連続で改善し、市場予想より少なかったほか、昨年10~12月期の労働コスト(改定値)は市場予想を上回った。市場ではこのところ、FRBによる利上げが長期化するとの懸念が強まっており、2日の指標は懸念をさらに強める内容だった。

長期金利は一時4.09%と昨年11月以来の高水準を付け、株式相場の重荷になった。午後も長期金利は高止まりしたが、株式相場は上げ幅を広げた。債券と株式市場の値動きにはちぐはぐさも見えた。

1日夕に発表した決算と業績見通しが市場予想を上回った顧客情報管理のセールスフォースが大幅高となり、ダウ平均を押し上げた。今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ幅が警戒していたほど大きくならないとの観測も買いを誘った。

セールスフォースは12%高で終え、1銘柄でダウ平均を120ドルあまり押し上げた。決算を受け、アナリストの目標株価引き上げが相次いだことも買いを後押しした。ソフトウエア企業の業績懸念が和らぎ、マイクロソフトも連れ高した。

タカ派とされるアトランタ連銀のボスティック総裁が2日、今月21~22日に米連邦準備理事会(FRB)が開くFOMCで「0.25%利上げに断固賛成する」と述べたと伝わった。市場では利上げ幅が0.5%に拡大するとの観測が浮上していただけに、株の買い安心感を誘った。ダウ平均の上げ幅は400ドルを超える場面があった。

市場では「経済データ次第で変わる金融政策の予測は難しく、FRB高官の発言に市場は揺れやすい」との声が聞かれた。

個別では独空運大手のルフトハンザ航空からの受注が伝わった航空機のボーイングが高い。業績が景気に左右されにくいディフェンシブ株も堅調で、外食のマクドナルドや日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が上げた。

ナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発し、前日比83.497ポイント(0.7%)高の1万1462.982で終えた。検索サイトのアルファベットや画像処理半導体のエヌビディアが高い。1日夕に開いた投資家向け説明会の内容が失望された電気自動車のテスラは6%下げた。

 


【シカゴ日本株先物概況】

2日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前日比220円高の2万7705円で引けた。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げを巡る過度な懸念が和らいだことから米株式相場が上昇し、日経平均先物に買いが波及した。

シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
27705 ( +185 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
27705 ( +185 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7944.04(+29.11)

2日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日に比べ29.11ポイント(0.37%)高の7944.04で取引を終えた。中国景気の回復期待が根強く、エネルギー需要が拡大するとの見方から、エネルギー株や資源株に買いが入った。

約5割の銘柄が上昇。個別では、好決算とともに自社株買いを発表したセメント大手CRHが8.0%高と急伸した。原油高に支えられ、石油大手のBP(2.0%高)やシェル(1.6%高)も堅調だった。HSBCホールディングス(3.3%安)など銀行株は軟調だった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15327.64(+22.62)

2日のドイツ株価指数(DAX)は3日ぶりに小幅に反発した。前日に比べ22.62ポイント(0.15%)高の1万5327.64で終えた。前日に下落していたヘルスケア株が上昇するなど、自律反発を見込んだ買いが入った。ただ、欧米の中央銀行の利上げ長期化への懸念は強く、上値は重かった。
個別では、スポーツ用品大手アディダス(1.5%高)やエネルギー大手エーオン(1.1%高)などが買われた。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7284.22(+49.97)

フランスCAC40種指数は0.69%高だった。一部企業の好決算を好感し、取引終盤に上昇に転じた。

 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次