154円高と続伸、円安、米株先物高を好感

 
6日午前の日経平均株価は続伸し、前日比154円34銭(0.60%)高の2万5975円14銭で、東証株価指数(TOPIX)は6.34ポイント高の1875.24と続伸して午前の取引を終えた。
朝方は前日の米株式相場の下落を受けて安く始まったが、日経平均が節目の2万6000円を下回る水準での推移が続くなか、値ごろ感に着目した海外短期筋の買いが断続的に入った。値がさ株への買いが指数を押し上げた。
日経平均は前引けにかけて次第に上げ幅を広げた。外国為替市場で円相場が対ドルで下落したことも支えとなり、ホンダやトヨタなど自動車株の上げも目立った。このところ軟調だった海運株も上昇した。
 
前日の米株式市場において主要株価3指数が揃って1%を超える下落率になったのとは対照的に久々に相対的な底堅さを見せている。前日に発表された米12月ADP雇用リポートや週間新規失業保険申請件数・継続受給者数らが軒並み労働市場の逼迫を裏付ける内容となったことを背景に、ドルが対円で上昇(ドル高・円安)していることが理由として挙げられよう。
 
米国の代表的な株価指数であるS&P500種株価指数を対象とした株価収益率(PER)にはまだ調整余地が残されているとも考えられる。PERについては、すでにコロナショック直後の大規模金融緩和の局面で上昇した分は全て吐き出しているため、バリュエーション調整は済んだと考える向きもいる。しかし、2000年以降の長期の視点でみた場合、米国の10年債利回りから期待インフレ率を差し引いた10年物の実質金利との比較でいうと、現在のPERにはまだ割高感がある。
 
中国については、ゼロコロナ政策が緩和され、経済再開が進められていて、明るい話も出てきている。しかし、有効性の高い海外製のワクチン接種率が低いこともあり、感染者の拡大は続いている。政府は正式な統計を発表していないが、火葬場に運び込まれる死体の数から死者が急増しているとの指摘もあり、社会的な混乱は続いているようだ。
こうした中、中国では今月1月下旬からは旧正月に当たる春節の時期がはじまる。人の移動が増加することで短期的にはさらに感染者が拡大する可能性が高く、最悪の場合、製造業のサプライチェーンの混乱などを通じて実体経済の落ち込みなども懸念される。
 
市場では「中国の1月下旬の春節(旧正月)に向けて荷動きは回復しそうだ」という声もあった。

 


 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆2237億円、売買高は5億1373万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は963と、全体の約5割だった。値下がりは764、変わらずは110銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)では海運業、鉱業、非鉄金属などが上昇。不動産業、その他製品、電気・ガス業などは下落。
 
 
個別では、川崎汽船、商船三井、郵船の海運が揃って大きく上昇。INPEX、日本製鉄、住友
鉱の資源関連、三菱重、IHIの原発・防衛関連なども高い。レーザーテック、東エレク、ソニーG、ソフトバンクグループ(SBG)、村田製、イビデンなどハイテク株も上昇。為替の円安進行を受けてマツダ、SUBARU、スズキなども大幅高。決算が安心感を誘ったダイセキS、月次動向は低調もあく抜け感につながったF&LCなどは急伸。みずほは国内証券のレーティング格上げが好感されている。他では、ファストリ、第一三共上昇した。
 
 一方、三菱UFJ、東京海上は利益確定売りが優勢。NTT、武田薬、味の素などディフェンシブ系の一角が軟調。三菱商事、丸紅など商社も冴えない。業績予想の下方修正や減配を発表したI‐PEX、月次動向が嫌気されたJINSHDは急落している。安川電、任天堂、NTTデータが下落した。

 

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