小幅続伸 米インフレの減速期待

 
12日午前の日経平均株価は小幅に続伸した。前引けは前日比9円06銭(0.03%)高の2万6455円06銭だった。
 
前日の米国株市場でハイテク株中心に買いが優勢だったことを受け、朝方はリスク選好の地合いだったが、買い一巡後に日経平均は値を消す展開を強いられた。米長期金利の低下などを背景に買いが先行し一時は100円程度高かったものの、その後は日銀の政策修正への思惑が投資家心理を冷やし上値を押さえた。ただ、日経平均はいったんマイナス圏に沈んだものの、下値では押し目買いが入り、前場取引終了時点ではわずかながら前日終値を上回っている。
 
日本時間きょう夜に発表される2022年12月の米消費者物価指数(CPI)の上昇率が鈍化するとの見方から米金利が低下し、東エレクや日電産などのグロース(成長)株が買われた。鉄鋼や非鉄金属などの景気敏感株も上昇し、市場では「世界経済のソフトランディング(軟着陸)期待や中国経済の再開の動きが相場を下支えしている」との指摘が出ていた。日経平均は朝方に上げ幅を100円超に拡大し、節目の2万6500円を上回る場面があった。
 
その後は次第に上げ幅を縮め、前日終値を挟んでの一進一退となった。日銀が17~18日に開く金融政策決定会合について、一部報道で「大規模な金融緩和策に伴う副作用を点検する」と伝わり、政策修正の思惑が相場全体の上値を抑えた。一方、報道を受けて銀行株は軒並み高となり、東証株価指数(TOPIX)は上昇した。メガバンク株はそろって昨年来高値を付けた。
 
 


前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆4685億円、売買高は6億4627万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は759。値下がりは969銘柄、変わらずは109銘柄だった。

業種別株価指数(全33業種)では銀行業、非鉄金属、鉄鋼の上昇が目立った。下落はその他製品、陸運業、空運業、繊維製品など。

 
個別では、レーザーテックがきょうも断トツの売買代金をこなし上昇、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループなどメガバンクも大商いで値を飛ばした。ソフトバンクグループもしっかり。日本電産が買われ、村田製作所も上値を追った。タマホームが値上がり率トップとなり、エスプールも大きく買われた。このほかジェイテックコーポレーションが大幅高。住友鉱、JFEが上昇した。
 
半面、ファーストリテイリングが下落、エーザイも売られた。オリエンタルランドが安く、東電HD、資生堂も値を下げた。コシダカホールディングスが急落、広済堂ホールディングスも大幅安だった。

 

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