12日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比216ドル96セント(0.6%)高の3万4189ドル97セントと昨年12月上旬以来の高値で終えた。
朝方発表された注目の昨年12月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比6.5%上昇と、6カ月連続で伸びが鈍化し、市場予想と一致。取引序盤のダウは予想通りの結果を受けて利益確定売りに押される展開となった。
ただ、売り一巡後はCPIの結果を踏まえ、米連邦準備制度理事会(FRB)による積極的な利上げをめぐる懸念が後退したため、買い優勢に転じ、プラス圏に浮上した。
インフレ減速を受け、FRBが次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ幅を前回の0.5%から0.25%に縮小するとの見方が強まった。12日にかけて、複数のFRB高官が0.25%利上げを支持したとも報じられたのも株買いを誘った。
債券市場では米長期金利が3.4%台前半とほぼ1カ月ぶりの水準に低下。債券に比べた株式の相対的な割高感が和らぎ、ハイテクなど高PER(株価収益率)銘柄を中心に買われた。景気敏感株の上昇も目立った。
市場では楽観が強まっている。投資家心理を測る指標となる米株の変動性指数(VIX)は前日比11%低い18.8と昨年4月以来の水準に低下。不安心理が高まった状態とされる20を下回った。インフレが徐々に弱まり、FRBがタカ派姿勢を和らげるとの見方から、相場の先安懸念が薄れた。
個別ではアクティビストの経営関与への期待から映画・娯楽のウォルト・ディズニーが買われた。アナリストが投資判断を引き上げた航空機のボーイングも高い。一方、飲料のコカ・コーラ、外食のマクドナルドなどディフェンシブ株の一部は下げた。
ナスダック総合株価指数は5日続伸し、前日比69.434ポイント(0.6%)高の1万1001.105で終えた。5日続伸は昨年7月以来、半年ぶりの連続上昇記録した。
【シカゴ日本株先物概況】
12日のシカゴ日経平均先物は下落した。3月物は前日比330円安の2万6195円で引けた。米長期金利の低下などを背景に円高・ドル安が進み、先物の重荷となった。前日まで連日上昇していたため、利益確定目的の売りが出た面もある。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
26195 ( -175 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
26225 ( -145 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
