13日午前の日経平均株価は反落し、前日比306円41銭(1.16%)安の2万6143円41銭で終えた。
前日発表された米12月消費者物価指数(CPI)の上昇率が前月に比べ低下したことでインフレ懸念が後退し、米長期金利が低下するなか為替は一時1ドル=128円台まで急激な円高が進行した。この円高が警戒され輸出採算の悪化を懸念する売りがトヨタなど自動車関連株に出たほか、12日発表の2022年9~11月期決算が嫌気されたファストリが7%超下落し、1銘柄で日経平均を約200円押し下げたことも全体相場の足を引っ張った。半導体関連株などは堅調だった。
半面、13日の国内債券市場では、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが日銀の許容する変動幅の上限(0.5%程度)を上回った。来週17~18日に開く金融政策決定会合で日銀が一段の緩和修正を実施するとの思惑が強まった。
市場関係者は、円高基調が続けば、「製造業を中心に業績見通しの引き下げにつながる可能性が高まる」と指摘した。
FRBが年内の利上げは有り得ないとする現在の頑な姿勢を曲げて利下げに転じるというのであれば、それは相当に深刻な景気後退であり、この場合、株式市場は単純にFRBの利下げを歓迎できるわけではなく、深刻な景気後退を織り込む必要性、すなわち一株当たり利益(EPS)の低下を通じた株価下落に直面せざるを得ないといえるだろう。
つまり、年内のFRBの利下げ転換がないと分かり、利下げ期待が剥落する場合でも、FRBが折れて利下げに転じる場合でも、どちらにしても、株式市場には厳しい現実が待ち構えている可能性があるといえる。FRBの利下げ転換後には買い場が来ると思われるが、その前にはもう一段の下落に備えておきたい。
東証株価指数(TOPIX)は反落した。午前終値は前日比3.03ポイント(0.16%)安の1905.15だった。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆8460億円、売買高は7億5097万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は963、値上がりは790、変わらずは84銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は精密機器、輸送用機器、その他製品、ゴム製品などが下落した。上昇は銀行業、鉄鋼など。
個別では、板硝子や東宝、エムスリーの下落が目立った。キッコマンとTDKも売られた。
ソフトバンクグループが値を下げたほか、トヨタ自動車やソニーグループ、任天堂が下落。ダイキン工業やファナック、リクルートホールディングスが軟調だった。
一方、23年2月期通期の連結純利益を上方修正したセブン&アイが上場来高値。レーザーテックや東京エレクトロンなどの半導体関連や三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループなど銀行株が買われた。メルカリも高い。
