反発、利上げ長期化懸念が後退

 

31日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比368ドル95セント(1.1%)高の3万4086ドル04セントで終えた。ダウ平均は月間で2.8%上昇。ナスダック指数は10.7%上昇し、昨年7月以来の大きさとなった。

米労働省が朝方発表した2022年10~12月期の雇用コスト指数(ECI)は、前期比1.0%上昇だった。伸びは前期から鈍化し、市場予想も下回った。賃金の伸びも前期から減速した。インフレ鈍化につながるとの見方が広がった。米長期金利が低下し、ハイテク株が買われたのも相場を押し上げた。

市場では、「労働市場は逼迫(ひっぱく)しているが、賃金上昇によるインフレ圧力が緩和しているのは明らかだ」と受け止められた。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ減速や停止への期待が高まり、買いが先行した。

米長期金利が3.50%前後に低下(前日終値は3.59%)し、相対的な割高感が薄れた高PER(株価収益率)のハイテク株が買われた。ソフトウエアのマイクロソフトと顧客情報管理のセールスフォースの上昇が目立った。化学のダウや工業製品・事務用品のスリーエムなど景気敏感株も高い。半面、決算で1株利益が市場予想を下回った建機のキャタピラーは4%安で終えた。

ナスダック総合株価指数は反発した。前日比190.738ポイント(1.7%)高の1万1584.552で終えた。電気自動車のテスラやネット通販のアマゾン・ドット・コムが上昇した。

 


【シカゴ日本株先物概況】

1月31日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前日比80円高の2万7490円で引けた。米雇用関連指標の伸びが鈍化したのを受け、インフレ圧力が一段と緩和するとの観測が強まり、反発した。

賃金インフレの鈍化観測を背景にハイテク株を中心に米株式相場が上昇したのを受け、日経平均先物にも買いが優勢だった。

 

シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
27490 ( +190 )

シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
27525 ( +225 )

( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7771.70(-13.17)

31日のFTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、前日に比べ13.17ポイント(0.17%)安の7771.70で終えた。金融引き締め継続による英国景気への悪影響が強まることへの警戒感が強い。銀行株や資源株、資本財株など景気敏感銘柄に売りが出た。

個別では約7割の銘柄が下落。オンライン食品販売オカド・グループが5.3%安と下落率トップだった。航空機エンジン製造大手ロールス・ロイス(3.1%安)や通信大手BT(2.6%安)も売られた。

 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15128.27(+2.19)

31日のドイツ株価指数(DAX)は小幅に反発した。前日に比べ2.19ポイント(0.01%)高の1万5128.27で終えた。欧州中央銀行(ECB)の金融引き締め継続を警戒した売りが先行した。ただ、31日のドイツ取引時間中の米株式相場の上昇が投資家心理の支えとなり、引けにかけて持ち直した。

個別では、BMWやポルシェ(ともに1.9%高)など自動車株が堅調だった。

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7082.42(+0.41)

フランスCAC40種指数は0.01%高だった。様子見ムードが強く、積極的な取引は手控えられた。

 

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