16日午前の日経平均株価は続落し、前引けは前日比431円04銭(1.54%)安の2万7620円66銭だった。
前日の米株式市場は、NYダウが764ドル安と急落。米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め政策が景気後退を招くことが警戒された。また、米11月小売売上高も予想を下回った。米国株が下落した流れを受け、東京株式市場も大幅安となった。半導体関連などハイテク株や機械、非鉄などが売られた。一方、銀行株などは堅調だった。
15日の欧米市場では中央銀行の金融引き締めに伴う景気後退が意識され、主要な株価指数がそろって急落した。11月の米小売売上高が市場予想を下回ったのも投資家心理を冷やし、米ナスダック総合株価指数は3.2%下落した。午前の東京市場では東エレクとソフトバンクグループ(SBG)の下げが目立ち、この2銘柄で日経平均を110円程度押し下げた。
FRBや欧州中央銀行(ECB)は12月の会合で利上げ幅を縮小したとはいえ、当面は金融引き締めを粘り強く続ける方針。市場では、今後も経済統計の悪化が景気懸念を背景とした株売りの材料になるとの見方が強まっている。
売り先行後は心理的な節目の2万7500円を手前に下げ渋っていたが、ほとんど買い戻しは入らず、安値圏での底這いが続き、前場後半に2万7582円37銭(469円33銭安)と本日の安値を付けた。
2万8000円や25日移動平均線を明確に下放れた。一方、2万7500円や75日線、26週線、13週線が下値支持帯として意識され、下げ渋る動きも見せている。しかし、米S&P500種株価指数は13日の一時200日超えをピークに、綺麗に再び下落基調にあり、テクニカル面では今後も売りが続く可能性が高い。米国株が下値模索の展開となった場合、日経平均も上記のサポート水準を下抜ける可能性があろう。
日経平均2万7300-2万7500円のレンジには日足、週足の主要移動平均線が集中しているため、ここを下抜けてしまうと、商品投資顧問(CTA)などトレンドフォロー型ファンドの売りが膨らむ可能性があり、注意したい。
東証株価指数(TOPIX)は続落した。午前終値は前日比14.51ポイント(0.74%)安の1959.39だった。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆3724億円、売買高は5億2879万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1122、値上がりは608、変わらずは109だった。
業種別株価指数(33業種)では電気機器、精密機器、機械などが下落。銀行業、海運業、不動産業などは上昇した。
個別銘柄では、レーザーテックや東京エレクトロン、安川電、日電産、サイバー、エムスリーが売られた。ソフトバンクグループ、株式分割を発表したファーストリテイリングが値を下げた。トヨタ自動車やリクルートホールディングスも軟調だった。
半面、三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループが高く、千葉銀、ふくおかFGが逆行高。川崎汽、日本郵船や東芝が値を上げた。
