20日午前の日経平均株価は4日ぶりに反発し、前引けは前日比77円90銭(0.29%)高の2万7315円54銭だった。
前日の米株式市場は下落したが、日経平均株価は前日までの3日間で900円を超す下落となっていたことから、自律反発狙いの買いが流入している様子だ。為替相場は1ドル=137円20銭前後へ円安が進行している。輸出採算の改善期待から、機械など輸出関連株の一角に買いが入った。
上げ幅は一時100円を超えたが、買い一巡後は戻り待ちの売りが上値を抑えた。
前日も大きく下落したものの、200日移動平均線(2万7247円、19日時点)が下値支持線としてしっかり機能し、本日も同線がサポートしている。
一方、景気減速のスピードが加速してきている中、米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)が必要以上に金融引き締めを長期化し、過度な景気後退につながりかねないとの懸念は根強い。米国株が下値模索の展開となれば、日本株も無傷ではいられないだろう。
昼頃には日銀金融政策決定会合の結果公表がある。緩和政策の現状維持はほぼ確実だろうが、来年4月からの総裁交代を前に、政策変更に対する思惑は根強い。黒田東彦総裁の記者会見で発言のニュアンスに微妙な変化があるかなども注目されよう。日本株の米国株に対する相対パフォーマンスは為替動向と連動性が高いため、これら結果を受けた後の為替も注視する必要があろう。ドル円はちょうど25日線と200日線の間に挟まれたレンジ推移となっており、イベント後に25日線を上放れる、もしくは200日線を下放れた場合には、トレンドが出る可能性もありそうだ。
市場からは「12月FOMC(米連邦公開市場委員会)のタカ派的な内容は織り込みが進み、インフレが落ち着けば米景気後退懸念も和らぐだろう。ただ、新規の材料に乏しく、日経平均はしばらく2万7000円を下値とするボックス相場が続きそうだ。きょうの日銀決定会合では、現行の金融政策を維持し、無風とみている」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は反発した。午前終値は前日比7.80ポイント(0.40%)高の1943.21だった。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆1855億円、売買高は4億6783万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1152と、全体の6割を占めた。値下がりは590銘柄、変わらずは95銘柄だった。
業種別株価指数(全33業種)では海運業、保険業、鉱業の上昇が目立った。下落はサービス業、ガラス・土石製品、パルプ・紙など。
個別銘柄では、レーザーテックや村田製作所が高く、三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループがしっかり。T&Dや第一生命HD、三越伊勢丹やJフロントが上昇した。川崎汽が大幅高となったのをはじめ、日本郵船や商船三井も買われた。
半面、東京エレクトロンやソニーグループが安く、トヨタ自動車が値を下げた。エーザイや日本電産も下落した。エムスリーや楽天グループ、サイバーが下げた。
