反落297円安、米ハイテク株安で半導体株に売り

 
23日午前の日経平均株価は反落し、前日比297円18銭(1.12%)安の2万6210円69銭で終えた。前日の米株式市場で主要株価指数が下落した流れを受け、東京株式市場でも運用リスクを回避する売りが優勢だった。海外短期筋から株価指数先物への売りが膨らみ、下げ幅は一時400円を超えた。
 
22日の米株式市場でダウ平均は348.99ドル安(-1.04%)と3日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は反落し、10月に付けた年初来安値を下回る場面もあった。
7-9月期国内総生産(GDP)確定値が改定値から上方修正され、市場予想を上回った一方、新規失業保険申請件数は小幅な増加で労働市場の堅調さを示したため、利上げ懸念が再燃。過剰な利上げが景気後退を招くとの警戒感が相場の重石となった。
半導体メーカーのマイクロン・テクノロジーの低調な決算を材料にハイテク株が大きく売られたことも投資家心理を悪化させた。
フィラデルフィア半導体株指数は4.2%安となった。東京株式市場でも東エレクやアドテストなど日経平均への影響度が大きい銘柄の下げが目立った。トヨタやホンダなど自動車関連への売りも続いた。
 
売り一巡後は下げ渋った。下げ局面が続いた反動で自律反発を見込んだ買いが入った。市場では「日銀の金融緩和政策の修正を意識した売りには一服感がみられる」との声も聞かれた。
 
総務省が朝方発表した11月の全国消費者物価指数(CPI)は、生鮮食品を除く総合指数が前年同月比3.7%上昇した。伸び率が市場予想に一致し、株式相場への影響は限られた。
 
海外投資家はクリスマス休暇入りしているところが多いだろうが、先物手口の動向をみると、日銀のサプライズ政策修正があった20日から連日で海外勢の売り越しが観測されている。特にゴールドマン・サックス(GS)は22日まで3日連続でTOPIX先物を大きく売り越している。
 
 


東証株価指数(TOPIX)は反落した。前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆3856億円、売買高は6億3697万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1288と、全体の約7割を占めた。値上がりは465、変わらずは81銘柄だった。
 
 
業種別株価指数(全33業種)では海運業、非鉄金属、不動産業の下落が目立った。上昇は電気・ガス業、保険業、銀行業など。
 
 
個別では、レーザーテック、東エレク、アドバンテストの半導体関連が軒並み大幅安。ソニーG、キーエンス、信越化、SMCの値がさ株、イビデン、ローム、TDKのハイテクも軟調。トヨタ自、日産自、SUBARUの輸送用機器も大幅に下落。エムスリー、エーザイも安い。連日で買われていた川崎汽船などの海運も本日は騰勢一服で売り優勢。
東証プライム市場の値下がり率上位には、SREHD、メドレー、SHIFTのグロース株が多く入っている。
 
 一方、三菱UFJ、三井住友、りそなHDの銀行は大幅続伸。第一生命HD、T&DHD、MS&ADの保険も高い。政府がGX(グリーントランスフォーメーション)実行会議で脱炭素社会実現に向けた基本方針をまとめ、原発の建て替えなどを盛り込んだことを好感し、東京電力HDを筆頭に関西電力、東北電力、四国電力、九州電力が軒並み大幅高だった。

 

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