27日のNYダウ工業株30種平均は小幅に続伸し、前営業日の23日に比べ37ドル63セント(0.1%)高の3万3241ドル56セントで終えた。中国政府が新型コロナウイルスの防疫措置を緩和する方針を示し、同国経済への不安が和らいだことが一定の支えとなった。半面、米景気を巡る先行き不安は根強く、上値は限られた。
中国政府は26日、新型コロナウイルス対策として行っている入国時の隔離措置を来年1月8日から撤廃すると発表した。これを好感し、中国経済への依存度が比較的大きい一部の銘柄が買われた。ダウ平均構成銘柄では、キャタピラーやナイキなど、資本財株や一部の消費関連株の上昇が目立った。また、米原油先物が一時1バレル=81ドル台と、約3週間ぶりの高値を付けたことを受けて、エネルギー株も買われた。
建機のキャタピラーや化学のダウ、スポーツ用品のナイキが上昇した。
ディフェンシブ銘柄の上昇もダウ平均を支えた。通信のベライゾン・コミュニケーションズや日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)の上げが目立った。
一方、米長期金利が上昇するなか、金利上昇局面で売られやすいハイテクなど高PER(株価収益率)の銘柄は下げた。スマートフォンのアップル、ソフトウエアのマイクロソフトが安い。市場では、年末を控え、節税目的の損出しの売りも出やすかったとの見方がある。
ナスダック総合株価指数は反落した。前営業日比144.637ポイント(1.4%)安の1万0353.226で終えた。中国での減産継続が伝わった電気自動車のテスラが7日続落し、11%安で終えた。半導体のエヌビディアも大幅安だった。
【シカゴ日本株先物概況】
27日の日経平均先物は反落した。2023年3月物は前営業日の23日に比べ5円安の2万6210円で引けた。エネルギーセクターの上昇が下値を支え、ダウはプラス圏を維持して終了。同日の米ダウ工業株30種平均は上昇したが、日経平均先物の反応は乏しかった。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
26210 ( -150 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
26240 ( -120 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
英国はクリスマスの振替休日のため休場。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13995.10(+54.17)
27日のフランクフルト株式市場でドイツ株価指数(DAX)は続伸し、前営業日の23日に比べ54.17ポイント(0.38%)高の1万3995.10で終えた。中国政府が新型コロナウイルスの感染拡大対策で導入した厳しい防疫措置を緩和する方針を打ち出し、同国経済への先行き懸念が後退したのが相場を支えた。
個別では、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)グループの持ち株会社ポルシェSEが2.5%高で上昇率トップ。エネルギー大手シーメンス・エナジーが2.1%高、素材化学大手コベストロと航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズが1.2%高で続いた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6550.66(+45.76)
フランスCAC40種指数は0.70%高だった。中国政府が新型コロナウイルスの水際対策を大幅に緩和すると表明したことを受け、自動車株やエネルギー株などを中心に買いが入った。
