30日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比73ドル55セント(0.2%)安の3万3147ドル25セントで終えた。
ダウ平均は、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ抑制のため、金融引き締めへと政策転換した今年春以降、下落に転じ、9月には一時3万ドルを割り込んだ。インフレの減速を受けて盛り返したものの、急激な利上げによる景気後退懸念が強まり、年末に向けて下落傾向をたどった。
前日に上昇が目立った消費関連や景気敏感株への売りが相場を押し下げた。米長期金利が1カ月半ぶりの高水準に上昇し、株式の相対的な割高感が意識されたのも売りを誘った。
米長期金利は一時3.90%(前日終値は3.82%)と11月中旬以来の高さとなった。個別ではホームセンターのホーム・デポや映画・娯楽のウォルト・ディズニーの下げが目立った。年末を前に持ち高調整の買いが入り、取引終了にかけて下げ渋った。
ダウ平均は年間で3191ドル(8.8%)下落した。下落は4年ぶり。下落幅、下落率ともにリーマン・ショックのあった2008年(4488ドル、33.8%安)以来の大きさだった。
インフレに対応しFRBが3月に利上げを開始し、その後も急ピッチの利上げを続けた。長期金利が上昇し、高PER(株価収益率)銘柄が多いハイテクを中心に売られた。秋以降はインフレピークアウトを見込んだ買いが入る半面、欧州を含めた世界的な金融引き締めが景気を冷やすとの懸念が上値を抑えた。
ナスダック総合株価指数は反落した。前日比11.605ポイント(0.1%)安の1万0466.482で終えた。年間では5178ポイント(33.1%)下落した。下落率は08年(40.5%)以来の大きさだった。
S&P500種株価指数は前日比0.3%安の3839.50で終えた。年間の下落率は19.4%とこれも08年(38.5%)以来の大きさだった。
【シカゴ日本株先物概況】
30日のシカゴ日経平均先物は下落した。2023年3月物は前日比535円安の2万5735円で引けた。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ長期化による景気後退懸念が広がる中、反落した。米株式相場が下落し、日経平均先物に売りが波及した。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
25735 ( -255 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
25770 ( -220 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
30日のFTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反落した。前日に比べ60.98ポイント(0.81%)安の7451.74で引けた。高インフレや欧米中央銀行の金融引き締め継続による世界的な景気懸念が根強く、エネルギー株や資源株に売りが出た。前日まで3日続伸していたため、利益確定の売りも出やすかった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
30日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前日に比べ148.13ポイント(1.05%)安の1万3923.59で終えた。欧州中央銀行(ECB)の金融引き締め継続を警戒し、ハイテク株や自動車株など幅広い銘柄に売りが出た。年間では12.3%下落した。
個別では、通販大手ザランド(3.3%安)の下落率が最も大きく、通信大手ドイツテレコム(2.3%安)、自動車部品大手コンチネンタル(2.0%安)、製薬大手バイエル(1.9%安)が続いた。
■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40種指数は1.52%で引けた。年末で閑散商いとなる中、中国での新型コロナウイルス感染者の急増を受け、世界経済の先行きに対する悲観的な見方が広がった。
