133ドル高、利上げ懸念根強く

4日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前日比133ドル40セント(0.4%)高の3万3269ドル77セントで終えた。中国経済の回復への期待が一定の支えとなり、景気敏感株や消費関連株に買いが入った。ただ、週内に発表される米雇用統計を見極めたい投資家も多く、上昇の勢いは限られた。

この日のダウ平均は、昨年末以降の中国の新型コロナウイルス対策の緩和や長期金利の低下を好感し、おおむね買いが優勢で取引が始まった。中国が自国の半導体業界への補助金を抑えるとの一部報道を受け、米国の半導体関連銘柄が買われたのも相場を支えた。

ただ、午前に発表された11月の米雇用動態調査(JOLTS)で非農業部門の求人数が市場予想を上回り、労働市場の逼迫(ひっぱく)が続いている現状が示されたのを受け、インフレへの懸念が台頭し、一時下落に転じた。

また、午後に発表された2022年12月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では、金融引き締めを継続する方針が改めて確認された。米連邦準備理事会(FRB)による利上げ継続への警戒が上値を抑えた。6日に米雇用統計の発表を控え、様子見ムードも漂った。

中国の経済再開の恩恵を受けやすい航空機のボーイングや映画・娯楽のウォルト・ディズニー、半導体のインテルが買われた。化学のダウやスポーツ用品のナイキも高い。一方、アナリストが投資判断を引き下げたソフトウエアのマイクロソフトは売られた。医療保険のユナイテッドヘルス・グループや石油のシェブロンも下落した。

ナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発した。前日比71.777ポイント(0.7%)高の1万0458.762で終えた。電気自動車のテスラや半導体のエヌビディアが上昇した。


【シカゴ日本株先物概況】

4日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前日比45円高の2万5825円で引けた。中国経済の回復への期待が一定の支えとなり、景気敏感株や消費関連株に買いが入った。ダウ工業株30種平均が上昇し、日経平均先物にも買いが及んだ。

シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
25825 ( +215 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
25860 ( +250 )
※( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

FTSE100 7585.19(+31.10)
 
4日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日に比べ31.10ポイント(0.41%)高の7585.19で引けた。ユーロ圏の景気悪化への過度な懸念が後退する中、ドイツやフランスなど欧州の主要株価指数の上昇が投資家心理を支えた。金融株や消費関連株など幅広い銘柄が買われた。
 
個別では、指数構成銘柄の9割近くが上昇。オンライン食品販売オカド・グループ(9.0%高)が上昇率トップだった。金相場の上昇を受け、産金大手フレスニロ(7.3%高)も買われた。
 一方、銅や原油の値下がりを受け、資源大手グレンコア(6.9%安)や石油大手BP(3.6%安)は売られた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14490.78(+309.11)
 
4日のドイツ株価指数(DAX)は大幅に3日続伸し、前日に比べ309.11ポイント(2.18%)高の1万4490.78で終えた。ユーロ圏のインフレ継続や大幅な景気落ち込みに対する懸念が後退し、金融株や消費財株などを中心に幅広い銘柄に買いが入った。
個別では、ドイツ銀行(5.3%高)やアディダス(4.9%高)が堅調だった。
 
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6776.43(+152.54)
 
フランスCAC40種指数は2.30%高だった。
​​​​​​​ユーロ圏の景気悪化への過度な懸念が後退する中、ドイツやフランスなど欧州の主要株価指数の上昇が投資家心理を支えた。
 

 

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