505ドル安、利上げ継続を警戒

2日のNYダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比505ドル44セント(1.5%)安の3万2147ドル76セントで終えた。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が同日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で「政策金利の最終的な水準は従来の予想より高くなる」との見通しを示した。利上げが一段と進み、金融引き締めが長引くと警戒する売りが広がった。

FRBは4会合連続で通常の3倍にあたる0.75%の利上げを決めた。声明では「金融引き締めの経済への影響を検証する」といったん利上げペースを緩める方針を示唆した。これを好感し、ダウ平均は一時418ドル上昇した。

ただ、パウエル議長が記者会見で「利上げ停止を考えるのは時期尚早」などと改めて金融引き締めを積極的に進める構えを示すと、ダウはマイナス圏に沈み、取引終盤に下げ幅を拡大した。前週のダウはタカ派姿勢を緩めるとの期待から大幅高となっていた。この日のナスダックは3%超の下げを演じた。

この日発表された米民間雇用サービス会社ADPの10月の全米雇用報告によると、非農業部門の民間就業者数は前月比23万9000人増と、市場予想を上回り、株価の重しとなった。市場では週末に明らかにされる雇用統計に注目が集まっている。

米長期金利が4.1%台と前日終値(4.04%)から上昇し、株式の相対的な割高感が意識されたのも重荷だった。長期金利の上昇局面で売られやすい高PER(株価収益率)銘柄のハイテク株が大幅に下げ、顧客情報管理のセールスフォースが6%安、スマートフォンのアップルとソフトウエアのマイクロソフトは4%安だった。消費関連銘柄など景気敏感株にも売りが広がった。

ナスダック総合株価指数も3日続落し、前日比366.049ポイント(3.4%)安の1万0524.797で終えた。ネット検索のアルファベットや電気自動車のテスラなど主力ハイテク株が軒並み下げた。


【シカゴ日本株先物概況】

2日のシカゴ日経平均先物は反落した。12月物は前日比275円安の2万7315円で引けた。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見が利上げになお積極的な内容と受け止められ、NYダウは3日続落した。

 
同日の米株式相場が下落し、日経平均先物にも売りが波及した。
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
2日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反落した。前日に比べ42.02ポイント(0.58%)安の7144.14で引けた。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの警戒感が強かった。前日に買われた資源株やエネルギー株が売られた。

 
指数構成銘柄の7割弱が下落。英たばこ大手ブリティッシュ・アメリカン・タバコが5.5%安と下落率が最も大きく、産銅大手アントファガスタが4.5%安、特殊化学品大手クローダ・インターナショナルが3.7%安、アングロ・アメリカンが3.5%安で続いた。
 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
2日のドイツ株価指数(DAX)は8営業日ぶりに反落した。前日に比べ82.00ポイント(0.61%)安の1万3256.74で終えた。前日まで7日続伸していたほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を前に、利益を確定する目的の売りが広がった。個別では、通販大手ザランドが5.8%安、不動産大手ボノビアが5.6%安、自動車部品大手コンチネンタルが3.5%安と売られた。

■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40種指数は0.81%安だった。

 
米国の金融引き締めペースは緩まないのではないかとの警戒感が強まり、株価は下げ基調に転じた。
 

 

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