8日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比333ドル83セント(1.0%)高の3万3160ドル83セントと8月下旬以来の高値で終えた。
米中間選挙はこの日朝、投票日を迎えた。連邦議会選挙で下院は野党共和党が多数派を奪還するのが確実視され、上院は接戦とみられている。少なくても下院議会の多数派と大統領の所属政党がねじれる事態が想定されている。
市場では、規制強化や増税といった政策が実現しにくくなるとして、買いが優勢となっている。「選挙が終われば、不透明感が薄れ、株価は上昇しやすい」との声もあった。
中間選挙では与党・民主党が下院で少数派に転落するとの見方が大勢だ。民主党が主張してきた増税や規制強化など企業業績の逆風になる政策が成立しにくくなるとの見方が株買いを促した。中間選挙後は政治を巡る不透明感が薄れ、株が買われやすくなるとの経験則も買いを後押しした。
ダウ平均は昼ごろに528ドル高まで上げた後は、前日終値付近まで急速に伸び悩む場面があった。10日には10月の米消費者物価指数(CPI)が発表される。内容を見極めたい投資家は多く積極的な買いが限られた。
前日夕に開発中の肥満治療薬の有効性を示す臨床試験データを公表したバイオ製薬のアムジェンが6%上昇し、ダウ平均を押し上げた。航空機のボーイングやクレジットカードのアメリカン・エキスプレスが買われ、顧客情報管理のセールスフォースなどハイテク株の一角も上げた。
ナスダック総合株価指数も3日続伸し、前日比51.680ポイント(0.5%)高の1万0616.200で終えた。動画配信のネットフリックスや画像処理半導体のエヌビディアが上げた。
【シカゴ日本株先物概況】
8日のシカゴ日経平均先物は続伸した。12月物は前日比260円高の2万7880円で引けた。
中間選挙で特に下院での共和党躍進でねじれ議会により、政府の過激な政策への傾斜が回避できるとの期待感が買い材料となり寄り付き後、上昇。さらに、ドル安や長期金利の低下が投資家の安心感に繋がり下値を支え終日堅調に推移した。8日の米株式相場が上昇し、日経平均先物に買いが波及した。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
27880 ( -10 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
27880 ( -10 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7306.14(+6.15)
8日のFTSE100種総合株価指数は小反発した。前日に比べ6.15ポイント(0.08%)高の7306.14で引けた。8日の米株式相場の上昇が投資家心理を押し上げ、サービスや日用品など消費関連株を中心に幅広い銘柄に買いが入った。半面、エネルギー株の売りが上値を抑えた。
個別では、指数構成銘柄の7割超が上昇。小売大手B&Mヨーロッピアン・バリュー・リテールが4.4%高と上昇率トップだった。原油価格の下落を受けて石油大手BP(3.2%安)やシェル(2.5%安)は売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13688.75(+155.23)
8日のドイツ株価指数(DAX)は3日続伸した。前日に比べ155.23ポイント(1.15%)高の1万3688.75で終えた。8日の米株式相場の上昇で、投資家のリスク選好が高まり、幅広い銘柄に買いが入った。
個別では、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズ(7.1%高)や医療機器のザルトリウス(6.3%高)が買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6441.50(+24.89)
フランスCAC40種指数は0.39%高だった。米中間選挙の結果や10日の米消費者物価の発表をにらんで様子見ムードが強まる中、買いが先行した。
