9日午前の日経平均株価は反落し、前日比44円95銭(0.16%)安の2万7827円16銭で終えた。
前場は強弱観対立のなか、日経平均は前日終値を挟み方向感なくもみ合いとなった。前日の米国株市場ではNYダウが300ドルあまりの上昇で3日続伸したことで、東京株式市場でもリスク選好ムードを引き継いだものの、目先利益確定売りや戻り待ちの売りが上値を押さえた。
米中間選挙の結果を見極めたいとの思惑から、売り買いともにポジションを一方向に傾けにくい地合いとなっている。本格化している決算発表に絡み、好決算銘柄が買われる一方でコンセンサスを下回る内容の決算を発表した銘柄への売りも目立っている。
前日に日経平均が約2カ月ぶりの高値を付けており、このところ上昇が目立った銘柄などに利益確定や戻り待ちの売りも出やすかった。
米メディアによると、開票中の米中間選挙は日本時間9日11時30分時点で上院、下院ともに野党・共和党の獲得議席数が上回っている。もっとも、市場では政権と議会の多数派の政党が違う「ねじれ」となるとの織り込みが進んでいた面があり、改めて材料視する雰囲気は限定的となっている。
選挙結果が判明した時点では「Buy the rumor, sell the fact.(噂で買って、事実で売る)」の動きから一時的に売りが出そうな恐れもある。しかし、米国では投資信託の節税対策売りなどで季節的に弱い10月を過ぎて上がりやすい時期に入ってきていることに加え、FRBの利上げ工程の全貌もおおよそ明らかになってきている中、株式市場は新たな売り要因を探すのに疲れてきている様子だろう。
また、日米ともに長期目線の機関投資家はすでに換金売りが一巡し、新たに大きく売る程の持ち高状況でもないだろう。金利のボラティリティー(変動率)も落ち着いてきている中、10日の米10月消費者物価指数(CPI)でよほどの大幅な上振れがない限り、「中間選挙アノマリー」、「季節性要因」、「身軽なポジション」を拠り所に相場は上値を試しに行く展開となりそうだ。
東証株価指数(TOPIX)は反落した。午前終値は前日比3.56ポイント(0.18%)安の1954.00だった。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆7820億円、売買高は6億4688万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は734、値上がりは1012、変わらずは90銘柄だった。
業種別株価指数(全33業種)ではその他製品、鉱業、空運業の下落が目立った。上昇は海運業、金属製品、パルプ・紙など。
個別では、8日に決算を発表した任天堂が大商いをこなすも売りに押され、ダイキン工業も安い。ファーストリテイリングも下値を探った。GSユアサ、デンカ、三菱自、INPEXが値を下げ、住友金属鉱山も売りが優勢。ジャムコが急落、旭ダイヤモンド工業なども大きく売られた。
半面、レーザーテックが断トツの売買代金で上値追い継続、古河電は急伸。ソフトバンクグループも高い。東京エレクトロン、村田製作所、太陽誘電やスズキ、SUMCO、エムスリーなども上昇した。BEENOSはストップ高、新日本電工、ジェイリースなどが急騰した。カナミックネットワークも物色人気となった。
