11日午前の日経平均株価は反発し、前引けは前日比754円65銭(2.75%)高の2万8200円75銭だった。
前日発表の米10月消費者物価指数(CPI)は前年同月比7.7%上昇と市場予想(8.0%)を下回った。市場にはインフレピークアウト期待が強まり、前日の米株式市場では、NYダウが1201ドル高と急反発。米国市場が急伸した流れを受け、東京株式市場も日経平均株価は大幅高となり9月中旬以来、2カ月ぶりとなる2万8000円を回復。一時、2万8300円台まで上昇する場面があった。
11日に算出を迎えた株価指数オプションとミニ日経平均先物11月物の特別清算指数(SQ)値はQUICK試算で2万8225円86銭だった。前引け時点はこの水準をわずかに下回ったが、市場では「日経平均の終値がSQ値を上回れば先行きも強い相場が続く公算が大きく、目先のポイントになる」との見方があった。
「米CPIの鈍化効果が株高となって表面化した。先行き米金利の低下が見え、バリュエーション(企業価値評価)が拡大し、手がけやすくなってきた。下値は固まり、上値余地を探りに行く可能性が出てきたのはないか」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は反発した。午前終値は前日比36.86ポイント(1.90%)高の1973.52だった。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆7742億円、売買高は9億5138万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1222と、全体の6割を超えた。値下がりは549銘柄、変わらずは63銘柄だった。
業種別株価指数(全33業種)では電気機器、サービス業、化学の上昇が目立った。下落は空運業、水産・農林業、陸運業など。
個別では、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が+10%と大幅高となったことを追い風に半導体関連が軒並み高となっている。レーザーテックが+16%と急騰したほか、業績予想を下方修正した東エレクですらも地合い好転を背景に急伸。アドバンテストは国内証券によるレーティング格上げも手伝い+9%上昇。ディスコは上場来高値を更新している。
エムスリーやリクルートへの買いも目立った。安川電やキーエンスも上昇した。
半面、一方、任天堂、川崎汽船、JT、キヤノン、三菱UFJ、三井住友、三菱商事、NTT、JAL、JR東、INPEX、OLCなど、純粋シクリカル(景気敏感)系やディフェンシブ、リオープン関連で軟調なものが多くみられる。決算関連ではニコンやテルモが下げた。高島屋や三越伊勢丹も安い。
