今週は、堅調となった。中間選挙の手前で米国株に選挙後の株高を見越したような強い買いが入ったことから、日経平均は7日、8日と連日で大幅上昇。中間選挙では与党民主党の善戦が伝わったが、事前の予想に反していたこともあり、投開票後の9日、10日は強めに売られた。
しかし、市場予想を下回る米10月CPIを受けて米長期金利が急低下し、米国株が急騰したことから、これを受けた11日に800円を超える上昇。週末値で節目の2万8000円を大きく上回った。日経平均は週間では約1063円の上昇となり、週足では3週ぶりに陽線を形成した。
来週(14-18日)の東京株式市場は、10日発表の米10月CPI(消費者物価指数)が市場予想を下回ったことで、円安修正の波が起こり、ドル・円のすう勢が物色傾向に大きな影響を及ぼす可能性があるだろう。
米国のインフレ指標鈍化に伴うFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ幅縮小観測を背景に、日経平均株価は11日に約2カ月ぶりに2万8000円台を回復した。ただ、グロース(成長)銘柄や半導体関連に資金が集中した感が強く、円相場の急騰が相まって輸出株の一角などが値を消す動きもみられる。円安・ドル高の逆回転が進むようだと外需関連株の重しとして意識されそうだ。
一方で、円安が落ち着くのであれば、内需株も狙い目になってくる。こちらは新型コロナウイルスの感染再拡大と、それに伴う行動制限という不安含みの状況だが、これまでの為替のデメリットを踏まえると決して無視できない。来週は水際対策の平常化後で初となる訪日外客数(10月分)も16日に発表される。インバウンド(訪日外国人観光客)株はリスクを取る価値があるだろう。
日経平均は心理的なフシの2万8000円を上抜け、累積出来高が厚いゾーンも11日の上昇で一気に飛び越えた。今後は2万8000円どころが下値のサポートラインとして意識される。また、一目均衡表は日足、週足ともに抵抗体の「雲」の上に浮上し、需給は良好ととらえられる。
■上値・下値テクニカル・ポイント(11日現在)
29823.84 ボリンジャー:+3σ(26週)
29085.05 ボリンジャー:+2σ(13週)
28998.00 ボリンジャー:+2σ(26週)
28607.89 ボリンジャー:+3σ(25日)
28302.60 ボリンジャー:+1σ(13週)
28263.57 ★日経平均株価11日終値
28172.15 ボリンジャー:+1σ(26週)
28147.97 ボリンジャー:+2σ(25日)
27738.76 均衡表雲上限(週足)
27688.05 ボリンジャー:+1σ(25日)
27680.78 均衡表転換線(日足)
27670.93 6日移動平均線
27624.47 75日移動平均線
27520.15 13週移動平均線
27422.37 均衡表雲上限(日足)
27371.50 均衡表基準線(週足)
27346.30 26週移動平均線
27283.48 均衡表基準線(日足)
27228.13 25日移動平均線
ローソク足はマドを空けて上下のヒゲが短い大陽線で終了し、強い買い圧力を窺わせた。一目均衡表では三役好転下の強気形状にあって転換線と基準線が上向きで終了。来週末11月18日にかけて遅行線の応当日株価下落で強気シグナル増大が予想され、買い手優位の度合いがさらに進もう。25日線との上方乖離率は3.80%と過熱圏入りとなる5%を下回っていることもあり、上値追い継続に期待をつないで今週の取引を終えた。
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