NYダウ56ドル高、インフレ指標を好感

15日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比56ドル22セント(0.2%)高の3万3592ドル92セントで終えた。インフレの鈍化を示す物価指標を受け、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの期待が強まった。もっとも、短期的な過熱感も意識されやすく、上値は重かった。

 
米労働省が朝方発表した10月のPPIは、前月比0.2%上昇した。2カ月連続でプラスだったが、市場予想を下回った。前年同月比では8.0%上昇と、2021年7月以来の低水準だった。
 
市場では「インフレ圧力が緩やかになっていることを示した」(米銀エコノミスト)と受け止められ、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペース減速への期待があらためて強まった。
 
債券市場では、買いが先行し、長期金利が低下。ダウ平均は上昇して取引が始まった。金利低下局面で買われやすいハイテク株が大きく上昇し、相場をけん引した。
 
米長期金利が低下したのも支えに、ダウ平均の上げ幅は午前中に一時450ドルに達した。
 
買い一巡後は上げ幅を縮め、下げに転じる場面があった。取引時間中として8月以来の高値圏に浮上し、利益確定売りが出やすかった。このところ上昇が目立っていた建機のキャタピラーや化学のダウといった景気敏感株の一角が下落した。医療保険のユナイテッドヘルス・グループなどディフェンシブ株の下げも目立った。
 
ロシアのミサイルが北大西洋条約機構(NATO)加盟国のポーランドに着弾し、死者が出たと15日午後に伝わった。地政学リスクの高まりで売りが増え、上値を抑えたとの見方もあった。
 
一方、2022年8~10月期決算で売上高と1株利益が市場予想を上回った小売りのウォルマートは7%高で終えた。米長期金利の低下で相対的な割高感が和らいだ高PER(株価収益率)のハイテク株も買われ、顧客情報管理のセールスフォースとスマートフォンのアップルが上昇した。
 
ナスダック総合株価指数は反発した。前日比162.190ポイント(1.4%)高の1万1358.410で終えた。9月20日以来の高値。アナリストが投資判断を引き上げた動画配信のネットフリックスの上昇が目立った。エヌビディアやアプライドマテリアルズといった半導体関連も高かった。
 

 


【シカゴ日本株先物概況】
 

15日のシカゴ日経平均先物は反発した。12月物は前日比30円高の2万7985円で引けた。10月の米卸売物価指数の伸びが市場予想を下回ったことを好感し、反発した。同日の米株式相場が上昇し、日経平均先物にも買いが波及した。

シカゴ日経225先物12月限(円建て)
27985 ( -45 )

シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
27995 ( -35 )

( )は大阪取引所終値比

 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7369.44(-15.73)

15日のFTSE100種総合株価指数は反落した。前日に比べ15.73ポイント(0.21%)安の7369.44で引けた。外国為替市場で英ポンドが対ドルで上昇しており、米国での売上高比率の高い銘柄を中心に売りが出た。

個別では、前日に急騰したオンライン食品販売オカド・グループが16.8%安と急反落。決算発表の内容がさえなかった通信大手ボーダフォンも7.9%安と売られた。

 

 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14378.51(+65.21)

15日のドイツ株価指数(DAX)は4日続伸した。前日に比べ65.21ポイント(0.46%)高の1万4378.51と、6月以来5カ月ぶりの高値で終えた。米卸売物価指数(PPI)の上昇率が市場予想を下回り、米連邦準備理事会(FRB)の利上げペース減速への期待が強まった。米国の大幅利上げが欧米の景気悪化の深刻化を招くとの過度な警戒が和らぎ、ハイテク株や資本財株が買われた。
個別では、バイエルが4.1%高と買われた。
 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 6641.66(+32.49)

フランスCAC40種指数は0.49%高だった。米利上げペースの減速観測が一段と強まり、買いを促した。

 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次