1日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比194ドル76セント(0.6%)安の3万4395ドル01セントで終えた。
この日は前日に737ドル高と大幅高を受けて利益確定売りが出やすい展開。午前に発表された11月の米サプライ管理協会(ISM)製造業購買担当者景況指数(PMI)が、景況拡大と縮小の分岐点となる50を2年半ぶりに下回ったのを受け、ダウは下げ幅を拡大した。
前日夕の決算発表を受けて顧客情報管理のセールスフォースが大幅安となったことも、ダウ平均の重荷だった。
1日午前に米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した11月の米製造業景況感指数の悪化も相場の重荷となった。49.0に低下し、好不況の節目である50を下回った。景気敏感株の売りを誘い、航空機のボーイングや銀行のJPモルガン・チェース、機械のハネウェル・インターナショナルが安い。
前日夕に決算とあわせて発表した業績見通しが市場予想を下回り、共同最高経営責任者(CEO)の退任も嫌気されたセールスフォースは8%安で終えた。IT(情報技術)企業によるさえない業績見通しの発表が増えていることも、先行きの企業業績に対する懸念を強めた。
半面、朝方発表された10月の米個人消費支出(PCE)物価指数がインフレ鈍化を示したのは投資家心理を支えた。エネルギー・食品を除くコア指数が前月比0.2%上昇と、伸びは市場予想(0.3%)を下回った。スポーツ用品のナイキやホームセンターのホーム・デポなど消費関連株や、医薬・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)といったディフェンシブ株が買われた。
米長期金利が一時、3.50%(前日終値は3.60%)と9月以来の低水準を付けたのも、ハイテクなど高PER(株価収益率)株の支えになった。
ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比14.453ポイント(0.1%)高の1万1482.449で終えた。
【シカゴ日本株先物概況】
1日のシカゴ日経平均先物は反落した。12月物は前日比360円安の2万8010円で引けた。2日に11月の米雇用統計の発表を控え、持ち高調整を目的とした売りが出やすかった。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
28010 ( -240 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
28010 ( -240 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7558.49(-14.56)
1日のFTSE100種総合株価指数は3日ぶりに反落した。前日に比べ14.56ポイント(0.19%)安の7558.49で引けた。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」の閣僚級会合を4日に控え、原油需給の不透明感が強い。前日に買われていたエネルギー株に利益を確定する目的の売りが出た。
個別では、構成銘柄の6割強が上昇。オンライン食品販売オカド・グループが6.8%高、資産運用大手インターメディエイト・キャピタル・グループが6.2%高、同業シュローダーズが4.7%高となった。一方、教育・メディア大手ピアソンは5.2%安、航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスは4.4%安と売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14490.30(+93.26)
1日のドイツ株価指数(DAX)は続伸し、前日に比べ93.26ポイント(0.65%)高の1万4490.30で終えた。ドイツ国債利回りの低下で、PER(株価収益率)が相対的に高いハイテク株や小売株が買われた。
個別では、通販大手ザランドが4.2%高、製薬会社サルトリアスが4.1%高、スポーツ用品大手プーマが3.1%高と買われた半面、素材化学大手コベストロは2.6%安、ドイツ銀行は2.1%安、高級スポーツカー大手ポルシェは1.4%安だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6753.97(+15.42)
フランスCAC40種指数は0.23%高だった。
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が前日の講演で利上げペースを減速させる考えを示したことから、投資家のリスク選好が回復した。中国で新型コロナウイルス関連の規制を緩和する動きが見られたことも相場の支援材料となった。
