「株は下げなきゃ上がらない」

「株は下げなきゃ上がらない」

「3日新甫は荒れる」が格言。
水星は巡行。
朝ドラは「舞い上がれ」。
アレコレとデータを持ち出すよりもこの方が分かりやすい。
「株は下げなきゃ上がらない」だ。

10月アノマリーは「NY市場の10月効果」。
10月に安値を付けやすいので、10月に買うと儲かりやすいというもの。
セル・イン・メイの反対みたいなもの。
あるいは「Tax Loss Sales」。
投信の10月決算を控えての節税目的の売りもあると言われる。
一方、10月4日(投資の日)が上げの特異日。
16日も上げの特異日。
「10月終値は翌年の安値」というのもある。。
「3月に下落したら8月は上昇」もある。
「9月に上昇したら10月も上昇する」。
「10月に上昇したら翌年2月も上昇する」なのだが・・・。
「魔の月」10月がやってきた。

相場では私の持ち株が常に主人公でいて欲しい」。
言い換えれば「私は常に相場の主役の銘柄に囲まれていたい」。
多くの投資家さんの願い。
でもそれは宝塚のトップスターを毎日演じるようなこと。
並大抵のことではなし。
相場の主役候補を買った筈なのに、相場は移り気で残酷なもの。
得てして、脇役どころか舞台にも上がらないことが多い。
極めればしばし休養ならともかく、上昇の主役が下落の主役になるケースばかり。
この移り気のタイミングとリズムが会得できれば良いのだろうが、それがなかなか。 

たぶんそれはチャート上の単なる時間軸で構成されるリズムではないのだろう。
欲望と葛藤の織りなす心理の行方に大きく左右されるもの。
下落の渦中で弱気になり、上昇のさなかに超ブルマインド。
熱さが相場を見えにくくしているだろうし、かと言って斜に構えた冷静さが常に勝利を呼ぶ訳でもない。
賢く聞こえる弱気、愚かしげに聞こえる強気。
かといって賢い演出は常勝つわけでもなく、愚かな脚本が常に負ける訳でもない。 
この兼ね合いの難しさが相場をややこしくしている。
アレコレ理屈をこねずに単純に上か下か、それだけを考えた方が意外とパーフォマンスが良さそうだ。
パフォーマンスの悪さを糊塗するために、複雑な相場観測の理由をひねくり回しす。
まるで煙幕の彼方に相場があるような表現が跳梁するから相場離れみたいなことも起きる。
「驚きには手品のようにタネがある筈」なんて考え始めると眠れなくなってくる。 
他人の相場観測の煙に巻かれるのではなく、煙には近づかないというのが賢明なのかも知れない。

振り返ってみれば、儲かれば相場は隆盛、儲からなければ人気は離散というのが相場。 
珍妙な解釈など必要ない場所で、アレコレと高邁な世界情勢や外国人動向を論じたところでそれは所詮単なる免罪符。
上か下か、儲かるのか儲からないのか。
この根源的な課題を無視してああでもないこうでもないと言っているのは下手なファンドマネージャーの代表みたいなもの。
法規制の問題もあり、なかなか難しい面はあるが、高村幸太郎のように
「きっぱりと冬が来た」とか「僕の前に道がある」みたいな論調の方がどうもわかりやすいような気がします。

(櫻井)。

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