NYダウ続落346ドル安、雇用統計控え警戒感

 
 

6日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比346ドル93セント(1.1%)安の2万9926ドル94セントで終えた。週前半に大幅高となった後とあって、7日に9月の米雇用統計の発表を控え、持ち高調整の売りが優勢だった。米長期金利の上昇も株式の相対的な割高感につながった。

 
翌朝発表される9月の米雇用統計をめぐり、市場は非農業部門の就業者数が前月比25万人増になると予想。前月から伸びが鈍化するものの、底堅い内容になると見込まれている。労働市場の堅調さや賃金上昇圧力が改めて確認されれば、米連邦準備制度理事会(FRB)による大幅利上げ継続を後押しすることになるため、市場で警戒感が広がっている。
 
6日の米債券市場で長期金利が前日終値(3.76%)を上回って推移し、一時は3.8%台を付けた。欧州の主要な中央銀行による積極的な利上げが続くとの観測からドイツ国債が売られ、米国債の売りに波及した。
 
ダウ平均は午前に小幅に上がる場面があったが、雇用統計の発表を前に積極的な売買を控える投資家が多く、買いは続かなかった。午後には持ち高調整の売りが膨らみ、下げ幅を広げた。雇用統計を巡っては、市場予想より強い内容なら大幅利上げ観測が再燃し、株は売り圧力が強まるとの見方がある。
 
IT(情報技術)のIBMや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)、飲料のコカ・コーラが下落した。長期金利上昇を嫌気して高PER(株価収益率)のハイテク株も売られ、スマートフォンのアップルとソフトウエアのマイクロソフトはともに4営業日ぶりに反落した。一方、原油高を受け、石油のシェブロンが上昇した。
 
ナスダック総合株価指数は続落した。前日比75.327ポイント(0.7%)安の1万1073.327で終えた。
 
 

【シカゴ日本株先物概況】
 

6日のシカゴ日経平均先物は反発した。12月物は前日比5円高の2万7025円で引けた。

市場が注目する米雇用統計の発表を7日に控え、警戒感から売りが優勢となった。米長期金利の上昇も株価を圧迫した。同日の日本株が上昇した流れを引き継いだ。ただ、米株式相場は下落し、上値は限られた。

シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
27025 ( -265 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
27035 ( -255 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

6日のFTSE100種総合株価指数は続落した。前日に比べ55.35ポイント(0.78%)安の6997.27で引けた。インフレや主要中央銀行の金融引き締めが継続するとの観測が根強いなか、英景気の悪化を懸念した売りが出た。

FTSEでは、指数構成銘柄の6割超が下落。ホームセンター大手キングフィッシャーが4.9%安と最も下げがきつく、エネルギー小売り大手セントリカと航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスが4.4%安、3.6%安で続いた。

■ドイツ・フランクフルト株価指数

6日のドイツ株価指数(DAX)は続落した。前日に比べ46.40ポイント(0.37%)安の1万2470.78で終えた。欧州中央銀行(ECB)の金融引き締め継続がドイツ景気を圧迫するとの観測から金融株やエネルギー株など景気敏感セクターに売りが出た。

DAXでは、エネルギー大手イーオンが2.9%安、ミュンヘン再保険と電力大手RWEが2.6%安、ハノーバー再保険が2.0%安となった。

■フランス・パリ株価指数

フランスCAC40種指数は0.82%安だった。

歴史的な物価高の抑制に向けて今後も積極的な金融引き締めが続くとの見方が広がり、株価の重しとなった。

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