12日午前の日経平均株価は続落し、前引けは前日比37円00銭(0.14%)安の2万6364円25銭だった。
前日の米株式市場は、NYダウは小幅に反発したがナスダック指数は5日続落し年初来安値を更新。半導体関連などハイテク株が軟調に推移した。この流れを受け、東京株式市場も値を下げて始まった。取引開始後は明日の米9月消費者物価指数(CPI)の発表を控え様子見姿勢も強まるなか、方向感に欠ける展開が続いた。一時、プラス圏に浮上したが、上値では売りに押された。為替相場は1ドル=146円30銭台と24年ぶりの水準となる円安が進行した。
米国の金利上昇に伴うハイテク株売りの流れに押され、東エレクやアドテストが大幅安となった。2銘柄で日経平均を73円ほど下押しした。
半面、日経平均が前日まで大幅に下落していた反動で自律反発狙いの買いも入り、指数は上げに転じる場面があった。政府の観光促進策「全国旅行支援」開始や新型コロナウイルスの水際対策緩和が追い風となり、空運株や鉄道株の上昇が目立った。
市場からは「基本的には米9月CPI(消費者物価指数)を前に様子見だ。引き続きリオープニング(経済再開)関連が買われ、ディフェンシブ(防御的な)銘柄も物色されているが、一方で半導体関連などが安く、ぶつかり合っている」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は続落した。午前終値は前日比0.93ポイント(0.05%)安の1870.31だった。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆3719億円、売買高は5億7431万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1022と、全体の56%を占めた。値上がりは734銘柄、変わらずは80銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)では鉱業、電気・ガス業、金属製品などが下落。空運業、陸運業、小売業などは上昇した。
きょう東証プライム市場に新規上場したソシオネクスは公開価格(3650円)を185円(5.1%)上回る3835円で初値を付けた。午前終値は3950円だった。
個別銘柄では、レーザーテックや東京エレクトロンといった半導体関連株が安く、ソニーグループ、任天堂、スクリン、ネクソン、大平金、シャープ、SUMCOが値を下げた。日本郵船やメルカリ、キーエンスが軟調だった。
半面、日本航空やJR東海、エイチ・アイ・エスといった旅行関連株などが値を上げた。
セブン&アイやイオン、サッポロHD、キリンHDが上昇した。ファストリやソフトバンクグループ(SBG)も買われた。
