大幅反発550ドル高、決算発表や英減税撤回好感

17日のNYダウ工業株30種平均は急反発し、前週末比550ドル99セント(1.9%)高の3万0185ドル82セントで終えた。

米主要企業による決算発表が本格的に始まり、業績が警戒するほど悪くないとの見方から買いが入った。英政府による減税策の撤回発表を受けて金融市場の混乱が落ち着くとの見方もあって、米株の買い安心感につながった。

米企業の7~9月期決算発表が、金融大手を筆頭に先週から本格化した。この日発表したバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)は調整後1株当たり利益などが市場予想を上回り、同社株が大きく買われたほか、投資家心理の改善につながった。ダウ平均の構成銘柄では前週末に発表した決算が市場予想を上回っていたJPモルガン・チェースが4%高、18日に決算発表を控えるゴールドマン・サックスが2%高となった。これまでに発表を済ませた主要企業も、おおむね市場予想を上回っている。

調査会社ファクトセットによれば、先週末時点で米主要500社のうち7%が7~9月期の決算発表を終え、このうち約7割が市場予想を上回る1株当たり利益を計上した。

市場では「想定ほど悪くない金融大手の決算を受けて米企業業績への警戒感が和らぎ、売り込まれていたハイテクなど幅広い銘柄が買い直された」との指摘があった。ソフトウエアのマイクロソフトが4%上昇し、顧客情報管理のセールスフォースやスマートフォンのアップルの上げも目立った。

英国のハント財務相が17日、トラス政権が打ち出した大型減税案のほぼ全てを撤回すると表明した。「英国の金融市場の混乱が米市場に波及するとの懸念が後退し、投資家のリスク選好につながった」。外国為替市場ではドルが英ポンドなど欧州通貨に対して売られ、ドル高がハイテクなど米外需企業の収益を圧迫するとの懸念を和らげた。

ナスダック総合株価指数も大幅に反発し、前週末比354.413ポイント(3.4%)高の1万0675.801で終えた。電気自動車のテスラやネット通販のアマゾン・ドット・コム、半導体のエヌビディアなど主力株が総じて上昇した。

 


【シカゴ日本株先物概況】

17日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前週末比450円高の2万7075円で引けた。

 
一部企業の決算発表や英国の大型減税策撤回を好感して積極的な買いが入り、大幅反発した。米株式相場が大幅に上昇し、日経平均先物にも買いが及んだ。
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

FTSE100 6920.24(+61.45)
17日のFTSE100種総合株価指数は3日続伸した。前週末に比べ61.45ポイント(0.90%)高の6920.24で引けた。英国のハント財務相が17日、トラス政権が打ち出した大規模減税策のほぼ全てを撤回すると表明した。英国の金融市場の混乱が収束に向かうとの期待感から幅広いセクターに買いが入った。
FTSEでは、構成銘柄の9割近くが上昇した。不動産大手ブリティッシュ・ランドが5.2%高と上昇率で首位となり、住宅大手パーシモンと商業用不動産大手ランド・セキュリティーズが4.8%高で続いた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12649.03(+211.22)
17日のドイツ株価指数(DAX)は3日続伸した。前週末に比べ211.22ポイント(1.70%)高の1万2649.03で終えた。英政権が打ち出した大規模減税策の大半が撤回される見通しとなり、英財政懸念が後退した。英国の金融市場の混乱が収束に向かうとの期待から投資家が運用リスクを取りやすい雰囲気が広がり、幅広いセクターに買いが入った。
DAXでは、不動産大手ボノビアが5.3%高、通販大手ザランドが4.5%高、スポーツ用品大手アディダスが3.6%高と買われた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6040.66(+108.74)
フランスCAC40種指数は1.83%高だった。
 

 

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