18日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比337ドル98セント(1.1%)高の3万0523ドル80セントで終えた。米主要企業の2022年7~9月期決算が相次いで市場予想を上回り、業績懸念が和らいだ。米株相場は景気減速による業績悪化を織り込んでいたため、決算を好感した買いが入った。
朝方発表された7~9月期の米企業決算のうち、ゴールドマン・サックスやロッキード・マーチンの内容が好感され、これらの銘柄が買いを集めた。これまでに決算発表を済ませた主要企業の大半が市場予想を上回る内容となっており、景気悪化をめぐる投資家の過度な懸念が和らいだことが株価を支えた。
金融のゴールドマン・サックスが2%高で終えた。18日朝発表の決算で売上高と1株利益が市場予想を上回った。前週末に市場予想以上の決算を発表した同業のJPモルガン・チェースへの買いも続いた。
顧客情報管理のセールスフォースが4%高で終え、ダウ平均を押し上げた。物言う株主による株の大量取得が明らかになり、追随買いが入った。ダウ平均の上げ幅は午前中に652ドルに達する場面があった。
買い一巡後、ダウ平均は116ドル高まで伸び悩む場面があった。米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げ観測から、18日の米長期金利は一時4.06%を付けた。長期金利が上昇すると相対的な割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)のハイテク株は売りに押される場面もあった。ソフトウエアのマイクロソフトは一時下げに転じた。
ナスダック総合株価指数は続伸した。前日比96.601ポイント(0.9%)高の1万0772.402で終えた。ネット検索のアルファベットや半導体のエヌビディアが上昇した。交流サイトのメタプラットフォームズは下落した。
【シカゴ日本株先物概況】
18日のシカゴ日経平均先物は小幅に続伸した。12月物は前日比20円高の2万7095円で引けた。米株式相場の上昇が支援材料となったものの、心理的な節目となる2万7000円を上回る水準では積極的な買いが入りにくかった。
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6936.74(+16.50)
18日のFTSE100種総合株価指数は4日続伸した。前日に比べ16.50ポイント(0.24%)高の6936.74で引けた。英政権が17日、大規模減税策のほぼ全てを撤回し、エネルギー支援策の期間も短縮する方針を示した。財政悪化に配慮した政策転換を好感する買いが続いた。
FTSEでは、構成銘柄の約7割が上昇。段ボール大手スマーフィット・カッパが6.4%高と上昇率でトップとなったほか、包装資材のDSスミスと航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスが3.8%高で続いた。一方、石油・ガス開発大手ハーバー・エナジーは4.4%安、エネルギー小売り大手セントリカは4.1%安だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12765.61(+116.58)
18日のドイツ株価指数(DAX)は4日続伸した。前日に比べ116.58ポイント(0.92%)高の1万2765.61で終えた。英国の財政を巡る懸念がひとまず後退し、投資家心理が上向いた。
DAXでは、セメント大手ハイデルベルクセメントが3.8%高、商用車大手ダイムラー・トラックが3.4%高、製薬会社サルトリアスが3.0%高と買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6067.00(+26.34)
フランスCAC40種指数は0.44%高だった。
企業業績への期待から、米国株が前日に続き序盤の取引で上昇したことを眺め、欧州株にも買いが入った。
