19日午前の日経平均株価は続伸し、前引けは前日比197円73銭(0.73%)高の2万7353円87銭だった。前日の米株式相場の上昇を受けて投資家心理が上向き、内需株を中心に広く買いが優勢だった。上げ幅は一時200円を超えた。
前日の欧米株市場が全面高だったことを受け、リスクを取りに行く動きが優勢となった。ここにきて世界的にショートカバーの動きが顕在化している。米国株市場では企業の決算発表が本格化するなか、業績悪に対する投資家の過度な不安心理が後退し、買い戻しの動きが目立つ。東京株式市場もこれに追随する形となった。国内企業も今後決算シーズン入りするが、為替市場の円安効果で輸出セクター中心に業績面へのプラス効果が期待されており、全体株価を下支えしている。日経平均は途中伸び悩む場面もあったが、前引けにかけ先物主導で強調展開となった。
国内では間もなく4~9月期の決算発表が本格化する。市場では企業業績の先行きをめぐり「(供給制約の緩和に伴う)生産の回復や新型コロナウイルス対策の入国規制の緩和を背景に、これからは以前に比べ円安効果の恩恵を受けやすくなりそうだ」との見方があった。
日経平均は伸び悩む場面も目立った。世界的な金融引き締めによる景気減速への警戒が上値を抑えた。
日経225先物は75日線までのリバウンドを経て、その後は25日線水準で推移を見せており、想定内の動きといったところであろう。後場は25日線水準でこう着しそうだが、底堅い値動きを継続するようだと、再び節目の2万7000円を突破しショートカバーを誘う動きを見せてくる可能性がありそうだ
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。午前終値は前日比8.02ポイント(0.42%)高の1909.46だった。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆1902億円、売買高は4億6972万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1160と、全体の6割を占めた。値下がりは567銘柄、変わらずは110銘柄だった。
業種別株価指数(全33業種)では電気・ガス業、繊維製品、機械の上昇が目立った。下落は鉱業、医薬品のみ。
個別では、レーザーテック、東京エレクトロンなど半導体関連株が堅調、ソフトバンクグループも上昇した。ファーストリテイリングが大きく水準を切り上げたほか、エーザイ、セブン&アイ・ホールディングスなども高い。ジャムコが大幅高に買われた。レノバ、東電HDや関西電、東ガス、日産自も買われた。
半面、メルカリが売りに押され、シマノは大幅安。クレディセゾンが急落となったほか、セイコーグループ、コナミグループ、TDK、村田製、シャープなども下落した。
