今週は、方向感に欠ける展開となった。米国の長期金利が上昇基調を強めてきたことから、日経平均は週初の17日に大幅安。しかし、英政権が大規模減税を撤回すると伝わったことが買い戻しを誘い、18日には前日の下げ分を埋める大幅高となった。
米国では決算発表がスタートしたが、ネットフリックスの決算は買い材料となった一方、テスラの決算は売り材料となり、日本株はこれらの時間外の値動きに一喜一憂した。為替市場ではドル円が150円台に到達したが、介入警戒もくすぶる中では日本株への好影響は限定的。翌週に決算発表を控えて買い手控えムードも強く、週後半は売りが優勢となった。
日経平均は週間では約200円の下落。週初の発射台が低かったことから、週足では3週連続で陽線を形成した。
来週は、一進一退の展開か。
国内では決算発表がスタートし、米国でも決算発表が本格化する。米国ではアルファベット、マイクロソフト、メタ、アップル、アマゾンと主力グロース企業の決算が連日で出てくる。国内でも日本電産、キヤノン、信越化学、OLC、ファナックなど注目決算が目白押し。これに加えて、ECB理事会と日銀金融政策決定会合が開催され、毎日が注目日といった状況となる。株式、長期金利、為替のいずれも振れ幅が大きくなるだろう。
翌週(11/1~2)にはFOMCが控えているため、高くなればリスク回避の売りが上値を抑えるとみる。一方で、投資家側もボラティリティが高い状況を許容しつつ、その中で決算を吟味しながらの個別物色が活況になると見込まれる。売り一辺倒にもなりづらく、下値も堅いと予想する。
今週は32年ぶりに1ドル=150円台まで円安が進んだ。日本でも9月の消費者物価指数(生鮮食品除く)が前年同月比で3.0%上昇し、消費増税の特殊要因を除くと31年ぶりの上昇幅を記録するなど円安が家計を圧迫している。こうした中で、日銀が長短金利操作(=イールドカーブコントロール、YCC)を転換せざるを得なくなるとみる向きも増えつつある。今回の決定会合で政策が修正される線は薄いとみられるものの、投機筋による仕掛け的な動きには注意したい。
■上値・下値テクニカル・ポイント(21日現在)
28508.91 ボリンジャー:+3σ(25日)
28474.48 ボリンジャー:+1σ(13週)
28104.98 均衡表雲上限(日足)
28086.13 ボリンジャー:+1σ(26週)
27978.25 ボリンジャー:+2σ(25日)
27738.76 均衡表雲上限(週足)
27670.61 13週移動平均線
27532.26 均衡表雲下限(日足)
27491.79 75日移動平均線
27447.59 ボリンジャー:+1σ(25日)
27371.50 均衡表基準線(週足)
27258.25 26週移動平均線
27229.30 200日移動平均線
27225.09 均衡表転換線(週足)
27140.86 均衡表基準線(日足)
27029.60 6日移動平均線
26916.93 25日移動平均線
26915.81 均衡表雲下限(週足)
26890.58 ★日経平均株価21日終値
26866.74 ボリンジャー:-1σ(13週)
26804.40 均衡表転換線(日足)
26430.38 ボリンジャー:-1σ(26週)
26386.27 ボリンジャー:-1σ(25日)
26062.87 ボリンジャー:-2σ(13週)
25937.21 新値三本足陰転値
25855.61 ボリンジャー:-2σ(25日)
25602.50 ボリンジャー:-2σ(26週)
25324.96 ボリンジャー:-3σ(25日)
25258.99 ボリンジャー:-3σ(13週)
週初から5日続けて寄り引けほぼ同値となり、ローソク足は細い胴体部分(12.92円)から上下に短いヒゲを出す「星」を描き、25日線付近での売り買い拮抗状態を窺わせた。しかし、5日線が下向きに転じており、25日線の下降と併せて下方向のリスクに留意が必要となろう。
