大幅反発748ドル高、金利上昇一服など好感

21日のNYダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発し、前日比748ドル97セント(2.5%)高の3万1082ドル56セントとほぼ1カ月ぶりの高値で終えた。米連邦準備理事会(FRB)が年内に利上げペースを緩めるとの見方が浮上し、株式の買い直しが優勢となった。今週のダウ平均は4.9%高となり、週間の上昇率では6月下旬(21~24日、5.4%)以来の大きさとなった。

ここ最近急ピッチで上昇してきた米長期金利の上げが一服し、株価の追い風となった。長期金利の指標である10年物米国債利回りは朝方に2007年11月以来約15年ぶりの高水準となる4.34%を付けたが、その後低下に転じ、足元では4.22%付近で推移している。

米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げペースを鈍化させることへの期待も株価を押し上げた。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、FRBが11月の金融政策会合で0.75%の大幅利上げを決めると同時に、次回12月の会合での利上げ幅縮小の可否についても、11月会合で議論する可能性があると報じた。

株式の相対的な割高感が薄れ、幅広い銘柄が買い直された。外国為替市場でドルが円など主要通貨に対して下落し、ドル高で海外売上高の大きい米企業の収益が目減りするとの警戒感が薄れたのも株式の買い直しを誘った。

景気敏感株が買われ、建機のキャタピラーや化学のダウの上昇が目立った。JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど金融株も高い。スマートフォンのアップルやソフトウエアのマイクロソフトなどハイテク株も総じて上げた。

ただ、決算を発表した銘柄が売られ、ダウ平均は朝方に100ドル超下げる場面もあった。2022年7~9月期決算を受けて値上げによる契約件数減の懸念が強まった通信のベライゾン・コミュニケーションズが大きく下落。貸倒引当金の積み増しが先行きの業績懸念を誘ったクレジットカードのアメリカン・エキスプレスも売られた。

ナスダック総合株価指数も3日ぶり反発し、前日比244.872ポイント(2.3%)高の1万0859.716で終えた。動画配信のネットフリックスやネット通販のアマゾン・ドット・コムが高い。


【シカゴ日本株先物概況】

21日の日経平均先物は反発した。12月物は前日比90円高の2万7110円で引けた。
米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの報道を受けて金利が低下したことや、米国の巨大企業の収益を圧迫するドル高が一服したことが好感され全面高となった。同日の米株式相場が大幅反発し、日経平均先物にも買いが及んだ。

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
21日のロンドン株式市場でFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日に比べ25.82ポイント(0.37%)高の6969.73で引けた。商品相場の下落一服で、資源株やエネルギー株に買いが入った。

FTSEでは、構成銘柄の7割近くが下落。中古車販売サイトのオートトレーダー・グループが6.2%安と急落したほか、小売り大手JDスポーツファッションが6.1%安、同業フレイザーズ・グループも4.0%安と売られた。一方、資源大手グレンコアは3.6%高、鉱業大手アングロ・アメリカンは3.1%高、産銅大手アントファガスタは2.7%高となった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
21日のドイツ株価指数(DAX)は反落した。前日に比べ36.51ポイント(0.29%)安の1万2730.90で終えた。ドイツ長期金利の上昇を嫌気し、不動産株や公益事業株など金利動向に敏感なセクターに売りが出た。

個別では、ミュンヘン再保険が3.7%高、ハノーバー再保険が2.8%高、ドイツ取引所が2.3%高となった半面、スポーツ用品大手アディダスは9.5%安、同業プーマは7.3%安、通販大手ザランドは3.2%安だった。

■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40種指数は0.85%安だった。
各国中央銀行のインフレ抑制に向けた積極的な利上げへの懸念から、景気敏感株を中心に売りが優勢となった。

 

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