ダウ横ばい 決算を嫌気した売り

26日のNYダウ工業株30種平均はほぼ横ばいとなり、前日比2ドル37セント高の3万1839ドル11セントで終えた。

 
米長期金利低下を好感した買いが先行し、上げ幅は昼前に一時300ドルを超えた。ただ、決算内容が市場の期待に届かなかった銘柄への売りが強まり、伸び悩んで終えた。
 
米債券市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げペースを減速させるとの期待や景気後退懸念を背景に、長期金利が低下。カナダ銀行(中央銀行)はこの日、政策金利を0.5%引き上げると決定。上げ幅が市場予想を下回ったのに加え、金融引き締めの停止に言及したことで、FRBも利上げペースを緩めるとの観測が強まった。10年物国債利回りは一時、4%を割り込んだ。
 
景気敏感株が買われ、工業製品・事務用品のスリーエム(3M)や建機のキャタピラー、銀行のJPモルガン・チェースが高い。前日夕に市場予想を上回る決算を発表したクレジットカードのビザは5%高となった。
 
半面、巨大ハイテク企業などの決算を嫌気した売りが重荷となった。前日夕に決算を発表したソフトウエアのマイクロソフトは8%安、ダウ平均の構成銘柄ではないがグーグルの親会社のアルファベットも9%安で終えた。航空機のボーイングも9%下げ、ダウ平均の足を引っ張った。26日に発表した決算で1株損益は黒字の市場予想に反して赤字となり、嫌気した売りが集まった。
 
市場では「業績への景気悪化の影響が主力ハイテク株にも広がってきた」との懸念を誘い、主力ハイテク株が総じて売られた。ダウ平均の構成銘柄ではスマートフォンのアップルが2%、顧客情報管理のセールスフォースが3%下げた。
 
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、前日比228.124ポイント(2.0%)安の1万0970.992で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムが4%安、交流サイトのメタプラットフォームズが6%安となった。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やエヌビディアなど半導体株の下げも目立った。
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

26日のシカゴ日経平均先物は反落した。12月物は前日比175円安の2万7380円で引けた。米長期金利の上昇が一服したことが下支えとなり、小幅続伸した。同日の米株式市場で主力ハイテク株が総じて下落し、投資家心理の悪化が日経平均先物に波及した。

シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
27380 ( -60 )

シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
27390 ( -50 )

( )は大阪取引所終値比

 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7056.07(+42.59)
26日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日に比べ42.59ポイント(0.61%)高の7056.07で引けた。外国為替市場で英ポンドやユーロなど主要通貨に対してドル安が進んでいる。ドル建てで取引される銅やアルミニウムなど商品相場の割安感が注目され、商品相場が上昇。資源株に買いが入った。

FTSEは、産銅大手アントファガスタが7.1%高と上昇率トップ。銅など商品相場の値上がりを好感し、資源関連株が上げを主導した。

 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13195.81(+142.85)
26日のドイツ株価指数(DAX)は3日続伸した。前日に比べ142.85ポイント(1.09%)高の1万3195.81で終えた。ユーロ圏の景気後退懸念やインフレ圧力の緩和観測から、欧州中央銀行(ECB)が大幅な利上げペースを減速するとの期待が高まり、株式が買われた。

個別では、通販大手ザランドが6.6%高、医療サービス大手フレゼニウス・メディカルケアが4.0%高と買われた。

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 6276.31(+25.76)
フランスCAC40種指数は0.41%高だった。方向感の乏しい値動きが続いた後、カナダ中央銀行の利上げが小幅にとどまったことを好感し、取引終盤にかけて急伸した。

 

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