27日のNYダウ工業株30種平均は5日続伸し、前日比194ドル17セント(0.6%)高の3万2033ドル28セントで終えた。
ダウ平均構成企業がこの日発表した7~9月期決算が軒並み好内容で、これらの銘柄が買いを集めた。建機のキャタピラーは値上げなどが奏功し、大幅な増収増益を達成。調整後1株当たり利益も市場予想を上回った。マクドナルド、メルク、ハネウェル・インターナショナルも、予想を上回る1株当たり利益を計上した。
キャタピラーが8%上昇し、ダウ平均の上昇を主導した。外食のマクドナルドや製薬のメルクも決算を受けて買われたほか、通期見通しを上方修正した機械のハネウェル・インターナショナルも大幅高で終えた。懸念したほど企業業績は悪くないとの見方から買いが広がり、ダウ平均は一時550ドル近く上昇した。
朝方発表の2022年7~9月期の米実質国内総生産(GDP)速報値が市場予想より増加し、景気敏感株の買いを支えた面もあった。併せて発表された個人消費支出(PCE)物価指数の伸びが前四半期よりも鈍化し「米連邦準備理事会(FRB)の利上げ鈍化が改めて意識され、相場を支えた」(CFRAのサム・ストーバル氏)との指摘もあった。
半面、主力ハイテク株は売られた。26日夕に決算と併せて開示した10~12月期の売上高見通しが市場予想を下回った交流サイトのメタプラットフォームズが2割強下げ、業績懸念の売りが他のハイテク株にも波及した。取引終了後に決算を発表するスマートフォンのアップルや半導体のインテルが大幅安となった。
ナスダック総合株価指数は続落し、前日比178.317ポイント(1.6%)安の1万0792.675で終えた。引け後に決算発表を控えるネット通販のアマゾン・ドット・コムが大きく下げた。ネット検索のアルファベットの下げも目立った。
【シカゴ日本株先物概況】
27日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前日比305円安の2万7075円で引けた。好決算を発表した一部の銘柄が上昇をけん引し、5営業日続伸した。米ハイテク銘柄の株価が大きく下落し、投資家心理が悪化した。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
27075 ( -225 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
27085 ( -215 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7073.69(+17.62)
27日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日に比べ17.62ポイント(0.25%)高の7073.69で引けた。原油高を受けてエネルギー株が買われた。
FTSEでは、好決算を発表した石油大手シェルが5.5%高と急伸。同BPも3.4%高と買われた。金融大手ロイズ・バンキング・グループも決算が好感され、0.5%高と堅調だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13211.23(+15.42)
27日のドイツ株価指数(DAX)は小幅ながら4日続伸した。前日に比べ15.42ポイント(0.12%)高の1万3211.23で終えた。欧州中央銀行(ECB)が大幅な利上げペースを減速するとの期待が投資家心理を支えた。不動産株や金融株に買いが入った。
DAXでは、ドイツ銀行が5.1%高と上昇率トップ。商用車大手ダイムラー・トラック(2.7%高)や化学大手BASF(1.1%高)も買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6244.03(-32.28)
フランスCAC40種指数は0.51%安だった。方向感の乏しい値動きが続いた。
