NYダウ643ドル安、ジャクソンホール会議への警戒感

22日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前週末比643ドル13セント(1.9%)安の3万3063ドル61セントで終えた。

パウエルFRB議長が今週、米ワイオミング州ジャクソンホールで講演するため、市場では同議長の金融政策に関する発言が待たれている。米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁らが先週、インフレ抑制に向けてタカ派姿勢を示しており、この日は9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でも大幅な利上げが続くことへの懸念が台頭した。

米主要経済指標などの重要な手掛かりに乏しく、重要イベントを控えて利益確定の動きも出る中、ダウは朝方から売りが先行。終日軟調な展開を維持し、前週末終値比での下げ幅は一時約700ドルに達した。米10年債利回りは3%を超え、金利上昇がハイテク株を圧迫した。主要株価指数ではナスダックの下げがきつく、約2.5%安で取引を終えた。

インフレの最新状況を探る上で、週末に発表される個人消費支出(PCE)物価指数にも市場の関心が集まっている。

長期金利の上昇で相対的な割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)のハイテク株に売りが目立ち、顧客情報管理のセールスフォースが大幅安となった。積極的な金融引き締めが景気を冷やすとの見方から、景気敏感株や消費関連銘柄も売りに押された。

ナスダック総合株価指数は続落し、前週末比323.642ポイント(2.5%)安の1万2381.573で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや交流サイトのメタプラットフォームズなど主力株が軒並み下落した。

 


【シカゴ日本株先物概況】

22日のシカゴ日経平均先物は反落した。9月物は前週末比260円安の2万8465円で引け、22日の大取終値を245円下回った。米利上げ継続を警戒する売りが出た。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が26日の米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)の講演で、利上げに積極的な姿勢を示すとの見方が広がった。

シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
28465 ( -245 )

シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
28475 ( -235 )

( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7533.79(-16.58)
22日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反落した。前週末に比べ16.58ポイント(0.22%)安の7533.79で引けた。インフレで大幅な金融引き締めが継続するとの見方から、英景気の冷え込みが意識された。資本財や金融、消費者サービスなど幅広い銘柄に売りが出た。
FTSEでは、指数構成銘柄の4分の3が下落。投資信託スコティッシュ・モーゲージ・インベストメント・トラストが4.6%安と下落率が最も大きかった。ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)などを傘下に持つインターナショナル・コンソリデーテッド・エアラインズ・グループは4.5%安、資産運用大手アバディーンは4.4%安だった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13230.57(-313.95
22日のドイツ株価指数(DAX)は大幅続落した。前週末に比べ313.95ポイント(2.32%)安の1万3230.57で終えた。天然ガス価格の急騰によるインフレ懸念と欧州中央銀行(ECB)の大幅利上げ継続観測から、ドイツ景気懸念が強まり、幅広い銘柄に売りが出た。DAXでは、素材化学大手コベストロ(6.8%安)、通販大手ザランド(6.1%安)、スポーツ用品大手アディダス(5.2%安)の下げが目立った。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 6378.74(-117.09)
フランスCAC40種指数は1.80%安だった。
ロシアが欧州への天然ガス供給を制限する動きに欧州経済が損なわれるとの懸念が台頭した。また、ドイツ連銀総裁が同国の景気後退リスクが上昇したとの言及を嫌気した売りも目立った。

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