29日の日経平均株価は3営業日ぶりに大幅反落し、2万7878円(前週末比762円安)引けとなった。パウエルFRB議長のタカ派発言で前週末の米国株式が急落した流れを受け、リスク回避の売りが優勢となった。時間外取引での米株価指数先物の下げも重しとなり、下げ幅は一時850円を超えた。
チャート上では、心理的なフシ目となる2万8000円を割り込んだことで200日移動平均線(2万7526円)を意識する向きもあるが、「2万8000円割れの水準は押し目買いが入りやすい」との読みもあった。
あす30日の東京株式市場は、落ち着きどころ探る展開か。
米ワイオミング州ジャクソンホールで開かれた経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が前週末26日に講演し、金融引き締めを継続する姿勢を強調。金融引き締めの長期化で景気が後退するとの懸念が強まり、前週末の米国株式が急落し、投資家心理が悪化した。先行き不透明感が尾を引き、不安定な相場付きも想定される。
まずは26日の米国株が下げすぎで、その反動によりあすは大幅高という展開に期待したいが、そうならなかった場合には、バリュー株や中小型株などにしっかりとした動きが見られるかという点を注視しておきたい。
■上値・下値テクニカル・ポイント(29日現在)
29222.77 新値三本足陽転値
29214.66 ボリンジャー:+2σ(25日)
29015.66 ボリンジャー:+2σ(26週)
28730.07 ボリンジャー:+1σ(25日)
28505.45 均衡表転換線(日足)
28481.91 ボリンジャー:+1σ(13週)
28426.68 6日移動平均線
28373.93 均衡表基準線(日足)
28245.48 25日移動平均線
28122.48 ボリンジャー:+1σ(26週)
27878.96 ★日経平均株価29日終値
27760.88 ボリンジャー:-1σ(25日)
27738.76 均衡表雲上限(週足)
27584.30 均衡表転換線(週足)
27526.69 200日移動平均線
27493.10 13週移動平均線
27312.26 75日移動平均線
27276.29 ボリンジャー:-2σ(25日)
27243.39 均衡表雲下限(週足)
27229.31 26週移動平均線
26954.99 均衡表雲上限(日足)
終値は下向きに転じた25日移動平均線や節目の28000円を下回り、52週線割れまで下ヒゲを伸ばした。新値三本足が陰転したほか、ローソク足はマド空けを伴う陰線を示現して足元の強い売り圧力を窺わせた。
一目均衡表で遅行線が弱気シグナルを発生して三役好転後の強気形状が崩れたこともあり、地合いの急速な悪化が窺える。低下基調にある東証プライム市場の騰落レシオ(25日ベース)は本日98.77%と中立圏中央の100%をわずかに下回る水準にあり、売られ過ぎによる値頃感は乏しいとみられる。
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