NYダウ3日続落、積極的な利上げ懸念

30日のNYダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比308ドル12セント(1.0%)安の3万1790ドル87セントで終えた。
米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが長期化し、米景気を冷やすとの懸念が強まった。景気敏感株を中心に幅広い銘柄で売りが優勢となった。

朝方発表された7月の雇用動態調査(JOLTS)によると、非農業部門の求人数は前月比19万9000件増の1123万9000件と、4カ月ぶりのプラスに転じ、市場予想を上回る内容。雇用情勢の堅調さが示された結果、FRBがインフレ抑制に向けてタカ派姿勢を崩さず、大幅利上げが続くとの見方が強まった。米長期金利が30日に一時3.15%とほぼ2カ月ぶりの高水準を付け、株式の割高感が意識された。

ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が30日のイベントで金融引き締めについて「来年まで続ける」と述べた。政策金利から予想インフレ率を引いた実質金利について「プラスにする必要がある」とも付け加えた。インフレ抑制のための政策金利を一段と引き上げ、高い金利が長期間続くとの警戒感が高まった。

景気敏感株が売られ、航空機のボーイングが安い。米原油先物相場が大幅安となり、石油のシェブロンも売られた。原油安になると売られやすい化学のダウと建機のキャタピラーの下げも目立った。長期金利上昇を受け、相対的な割高感からスマートフォンのアップルなど高PER(株価収益率)のハイテク株も下げた。ダウ平均は午後に一時451ドル安まで下げ幅を広げた。

ナスダック総合株価指数も3日続落し、前日比134.533ポイント(1.1%)安の1万11883.136とほぼ1カ月ぶりの安値で終えた。電気自動車のテスラや画像処理半導体のエヌビディアの下げが目立った。

S&P500種株価指数は44.45ポイント(1.1%)安の3986.16と、ほぼ1カ月ぶりに4000を下回った。

 


【シカゴ日本株先物概況】

30日のシカゴ日経平均先物は続落した。9月物は前日比110円安の2万7925円で引け、30日の大取終値を275円下回った。
この日発表の米景気指標や金融当局高官の発言を手掛かりに、米利上げ長期化による景気悪化を警戒する売りが続いた。

シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
27925 ( -275 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
27925 ( -275 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7361.63(-65.68)

30日のFTSE100種総合株価指数は続落した。前営業日に比べ65.68ポイント(0.88%)安の7361.63で引けた。米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締め継続への警戒感から米国株が売られた流れを引き継いだ。医薬品株や素材株の下げが目立った。銀行株などへの買いを支えに前営業日の終値を上回って推移する場面もあった。
FTSEでは、指数構成銘柄の約6割が下落。エンデバー・マイニングが6.9%安と下落率トップで、アントファガスタ(5.6%安)やアングロ・アメリカン(4.7%安)など資源関連株が軒並み売り込まれた。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12961.14(+68.15)

30日のドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに反発し、前日比68.15ポイント(0.52%)高の1万2961.14で終えた。自動車株などの上昇が支えになった。欧州中央銀行(ECB)や米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めで世界景気が減速するとの警戒感から29日に7月15日以来の安値で終えており、自律反発を見込んだ買いが入ったとみられる。
DAXでは、ポルシェ(4.4%高)やフォルクスワーゲン(2.3%高)など自動車関連株が堅調。プーマ(3.1%高)やアディダス(2.2%高)も買われた。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 6210.22(-12.06)

フランスCAC40種指数は0.19%安だった。
欧州や米国ではインフレ抑制を目的とした金融引き締めを継続するとの観測から、景気悪化を警戒した売りが優勢となった。

 

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