280ドル安、金融引き締め策の長期化を懸念

31日のNYダウ工業株30種平均は4日続落し、前日比280ドル44セント(0.9%)安の3万1510ドル43セントで終えた。

 
パウエルFRB議長や複数のFRB高官が、インフレ抑制のために金融引き締めを続ける姿勢を相次いで示し、株価の逆風となっている。市場では、急速な利上げが景気後退を招くことへの懸念が根強く、株価は8月半ば以降、下落基調が続いている。31日もFRB高官からタカ派寄りの発言が聞かれ、株売りが止まらなかった。
 
8月のダウ平均は月間で1334ドル70セント(4.1%)安と2カ月ぶりに下落した。最後の4営業日で1781ドル35セント下げており、月前半の強気相場が終盤に暗転した。
 
31日はクリーブランド連銀のメスター総裁が講演で「来年の早い時期までに政策金利を4%を超える水準に引き上げる必要がある。来年の利下げ転換はないだろう」と発言した。景気よりもインフレ抑制を優先する考えを強調し、前週末のパウエル議長の講演と歩調を合わせた。
 
株式市場では、金融引き締めの長期化が景気後退を招きかねないとの警戒が広がった。景気敏感株の売りを誘い、建機のキャタピラーや航空機のボーイングが安い。クレジットカードのアメリカン・エキスプレスやスポーツ用品のナイキなど消費関連株も売られた。
 
バイオ製薬のアムジェンや外食のマクドナルドといったディフェンシブ株の一角は買われた。
 
ナスダック総合株価指数は4日続落した。前日比66.933ポイント(0.6%)安の1万1816.203で終えた。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株のほか、ネット通販のアマゾン・ドット・コムが下げた。
 
ナスダック指数は8月月間では574.485ポイント(4.6%)下げた。下落は2カ月ぶり。
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

31日のシカゴ日経平均先物は続落した。9月物は前日比70円安の2万7855円で引け、31日の大取終値を265円下回った。金融引き締めの長期化が景気悪化を招くとの警戒が根強く、日経平均先物は米株とともに売られた。

 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て) 
27855 ( -265 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
27855 ( -265 )
 
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7284.15(-77.48)

31日のFTSE100種総合株価指数は3日続落した。前日に比べ77.48ポイント(1.05%)安の7284.15で引けた。主要中銀の金融引き締め継続による世界景気の減速が意識され、売りが優勢だった。医薬品株のほか、原油安を受けてエネルギー株の下げが目立った。
FTSEでは、指数構成銘柄の約7割が下落。送電大手ナショナル・グリッド(4.1%安)やエネルギー大手SSE(3.4%安)など公益事業関連株が売り込まれた。原油や天然ガスの値下がりを受け、石油大手シェル(2.1%安)や同BP(1.7%安)もさえなかった。

 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12834.96(-126.18)

31日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前日比126.18ポイント(0.97%)安の1万2834.96で終えた。ロシア国営ガス会社のガスプロムが31日、事前の発表通りに欧州向けガスパイプライン「ノルドストリーム」による供給を一時停止したと伝わった。エネルギー不足などによる欧州景気の悪化を懸念した売りが優勢だった。

31日発表の8月のユーロ圏消費者物価指数が市場予想を上回る伸びとなり、欧州中央銀行(ECB)による金融引き締め加速が意識されたのも株式相場の重荷だった。

DAXでは食材宅配大手ハローフレッシュが4.3%安と売られた。

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 6125.10(-85.12)
フランスCAC40種指数は1.37%安だった。
8月のユーロ圏消費者物価指数が予想を上回り、インフレ懸念が高まったことが重しとなり、売りが優勢となった。

 

 

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