今週は、軟調展開となった。
パウエルFRB議長がジャクソンホール会合の講演でインフレ抑制に向けた強い姿勢を示したことから、26日のダウ平均は1000ドルを超える下落。これを受けた週明け29日の日経平均は700円を超える下落となった。以降も米国株の下げが止まらず、金融引き締めへの警戒が日増しに高まった。日経平均は8月30日には大幅高となり、31日は大幅安スタートから持ち直すなど、底堅さを発揮する場面もあった。
しかし、9月相場に入った1日は400円を超える下落となり、2日も買い先行から失速するなど、後半はリスク回避ムードが強まった。日経平均は週間では約990円の下落。週足では、2週連続で陰線を形成した。
日本時間2日夜発表の米8月雇用統計のコンセンサスは、非農業部門雇用者数が前月比約30万人増(前月は52.8万人増)で失業率3.5%(前回3.5%)。劇的に悪化することがあれば別だが、好材料は求めにくいかもしれない。
来週も軟調か。米国は5日がレーバーデーで休場。この日にOPECプラス会合が予定されており、8日にはECB理事会が開催される。原油と長期金利を刺激しそうなイベントがあり、世界的に不安定な地合いが想定される。
ECB理事会では大幅利上げが決定されるとの見方が強い。
ジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長発言は株式市場を突き放した印象を与えたが、米国だけでなく欧州の金融引き締めも強く意識される可能性が高く、株式市場には逆風となるだろう。金利に神経質な地合いが続く中で、市場の目線は早くも20日~21日のFOMCに向かうことになると思われる。買いが入ってもリバウンド程度にとどまり、下振れへの警戒が強い状況が続くと予想する。
一方で、足元で1ドル=140円を突破してきた円安は日本株にとって追い風だ。輸出企業の増額修正要因として、自動車株などの支えとなる。また、資源価格の高騰一服やコンテナ船運賃の下落により、コスト圧力の軟化が視野に入ってきたことも見逃せないだろう。
■上値・下値テクニカル・ポイント(2日現在)
28996.24 ボリンジャー:+2σ(26週)
28871.78 新値三本足陽転値
28741.31 ボリンジャー:+1σ(25日)
28459.37 ボリンジャー:+1σ(13週)
28376.69 均衡表基準線(日足)
28274.02 25日移動平均線
28181.84 均衡表転換線(日足)
28108.39 ボリンジャー:+1σ(26週)
28019.96 6日移動平均線
27806.74 ボリンジャー:-1σ(25日)
27738.76 均衡表雲上限(週足)
27650.84 ★日経平均株価2日終値
27584.30 均衡表転換線(週足)
27493.69 200日移動平均線
27475.56 13週移動平均線
27379.65 75日移動平均線
27339.45 ボリンジャー:-2σ(25日)
27243.39 均衡表雲下限(週足)
27220.54 26週移動平均線
27111.12 均衡表雲上限(日足)
26954.99 均衡表雲下限(日足)
26952.26 均衡表基準線(週足)
26872.17 ボリンジャー:-3σ(25日)
ローソク足は陰線を引き、高値と安値も前日水準を下回った。下向きの5日移動平均線を週初から5日連続して下回り、下値支持線として意識される200日線の77.05円上まで売られた。本日終値は5週ぶりに52週線を下回ったことに加え、25日線や13週線が下向きで週末を迎え、下落トレンドの強まりが警戒される。
25日線とのマイナス乖離率は2.20%、東証プライム市場の騰落レシオ(25日ベース)は92.93%といずれも中立圏にあって短期的なリバウンドを誘う水準ではなく、株価の下げ余地を残す形となった。
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