5日午前の日経平均株価は続落し、前週末比40円09銭(0.14%)安の2万7610円75銭で終えた。
前週末の米国株市場でNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに安かったことを受け、リスク回避目的の売りが優勢となった。8月の米雇用統計は事前の市場コンセンサスに近い内容で、米株市場もいったんは上昇したが買いは続かなかった。今週はECB理事会や週末にメジャーSQ算出を控え、積極的な買いが入れにくい環境にある。
ただ、外国為替市場で1ドル=140円台前半の推移と依然としてドル高・円安水準でもみ合っていることは、輸出セクターの株価下支え材料となっている。
日経平均の下げ幅は140円に迫る場面があった。半面、足元の円安進行が主力輸出企業の業績を支えるとの観測もあって、下値は限られた。
前週末2日の米株式市場では主要3指数がそろって下落した。同日に発表された8月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数の増加幅が市場予想並みだった。失業率は小幅に上がった。米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融引き締めを緩めるほどの内容ではないとの受け止めが株の売りを促した。
欧州市場では、エネルギー供給を巡る不安が再燃したことで、インフレへの警戒が強まった。インフレや金融引き締めで欧米景気が下振れするとの不安が日本株の重荷となった。
半面、下値は限定的だった。前週に下げていたグロース(成長)株の一部に買いが入った。「欧米のインフレ進行に警戒があるなかで、短期的な揺り戻しが起きているにすぎない」との指摘があった。チャート上では日経平均の200日移動平均(2万7493円、2日時点)が下値支持線となっているとの見方があった。
東証株価指数(TOPIX)は続落した。午前終値は前週末比1.93ポイント(0.10%)安の1928.24だった。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で9842億円、売買高は3億9996万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1109と、全体の約6割を占めた。値上がりは642、変わらずは86だった。
市場からは「4連敗だが、押し目い買い意欲はあり、頑張っている。日経平均は200日移動平均線をキープし、その下は一目均衡表上の「雲」上限が支えとして意識される。米国株はそろそろ下げが一巡し、落ち着いてくるとみられ、日本株も底堅さが出てこよう」との声が聞かれた。
業種別株価指数(33業種)では海運業、陸運業、輸送用機器などが下落。石油・石炭製品、鉱業、鉄鋼などは上昇。
個別では、レーザーテックが安く、東京エレクトロンも冴えない。ファーストリテイリングも売りに押された。日本郵船など海運株も軟調な値動き。アインホールディングスが急落、ロック・フィールドも大幅安。デンソー、テルモ、SUBARU、JR東海が安かった。
半面、レーザーテックに次ぐ売買代金をこなしたダブル・スコープがしっかり、日揮HDやリクルートホールディングス、住友鉱も高い。ネクソンが値上がり率トップに買われ、第一稀元素化学工業、セグエグループなども値を飛ばした。
