NYダウ続伸193ドル高も利上げ懸念で

8日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比193ドル24セント(0.6%)高の3万1774ドル52セントで終えた。

このところ相場が大きく下落した後で、短期的な戻りを見込んだ買いが優勢だった。ただ、世界的な金融引き締めへの警戒感は根強く、ダウ平均は下げる場面もあった。

FRBのパウエル議長は朝方のオンライン会合で、高インフレに対し、「強力な手段を講じ、落ち着くまで続ける必要がある」と強調し、利上げを継続する姿勢を改めて示した。市場では、20、21両日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、3会合連続となる0.75%の大幅利上げを決めるとの観測が強まっている。

一方、欧州中央銀行(ECB)は8日の理事会で、0.75%の利上げを決定。声明では「今後複数回の会合で、さらなる利上げを行う」と表明した。

8月中旬に付けた直近の高値から今週前半までにダウ平均は3000ドル強下げていた。短期的には売られ過ぎとの見方があり、値ごろ感からの買いが入りやすい。8日は米長期金利を受け、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど金融株が買われた。医療保険のユナイテッドヘルス・グループや製薬のメルクなどヘルスケアの上げも目立った。

市場では「値ごろ感が出てきたとはいえ相場底入れの確信は持てず、13日発表の8月の米消費者物価指数(CPI)まで買いにも売りにも動きにくい」との指摘があった、ダウ平均は朝方に一時250ドル超下げた後、200ドル超上げるなど方向感に欠けた。

ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比70.229ポイント(0.6%)高の1万1862.129で終えた。交流サイトのメタプラットフォームズが上昇する一方、スマートフォンのアップルは下落。主力ハイテク株の方向感はまちまちだった。

 

 


【シカゴ日本株先物概況】

8日のシカゴ日経平均先物は上昇した。この日から中心限月になった12月物は前日比380円高の2万7865円で引けた。8日の米株式相場が上昇し、連れ高となった。長期金利の上昇を受け、金融株が買われ、相場を押し上げた。

シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
27865 ( +55 )

シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
27910 ( +100 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
8日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日に比べ24.23ポイント(0.33%)高の7262.06で引けた。非鉄金属など商品価格の下落一服で、前日に売られた資源株が買い直された。英政府が8日発表した物価対策が短期的には英経済を下支えするとの見方も投資家心理を支えた。

 
個別銘柄では、産銅大手アントファガスタが4.2%高で上昇率トップ。投資持ち株会社パーシングスクエア・ホールディングスが2.9%高、金融大手スタンダード・チャータード(スタンチャート)が2.7%高で続いた。一方、投資会社メルローズ・インダストリーズは9.3%安と急落した。
 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
8日のドイツ株価指数(DAX)は3日ぶりに小幅に反落した。前日に比べ11.65ポイント(0.09%)安の1万2904.32で終えた。欧州中央銀行(ECB)が8日の理事会で0.75%の利上げを決めた。金融引き締めが今後も継続することやドイツ長期金利の上昇が重荷となった。
個別では、ドイツ銀行が5.6%高、ハノーバー再保険が2.1%高、ミュンヘン再保険が2.0%高と上伸した半面、医療サービス大手フレゼニウス・メディカルケアは4.7%安と売られた。

■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40種指数は0.33%高だった。
欧州中央銀行(ECB)はこの日の定例理事会で、記録的な物価高を抑制するため、政策金利を0.75%引き上げることを決定。今後も金融引き締めを続ける方針を示した。市場では、金利上昇による利ざや改善期待から金融株に買いが集まり、相場上昇を支援した。
 

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