12日午前の日経平均株価は続伸し、前引けは前週末比314円15銭(1.11%)高の2万8528円90銭だった。前週末の米株高を受けて投資家心理が上向いた。主力の値がさ株への買いが指数を押し上げ、日経平均の上げ幅は一時400円に迫った。
前週末の欧米株市場が全面高の様相だったことから、リスク選好の地合いが継続した。先物主導で半導体関連など値がさハイテク株が買われ、全体相場を押し上げた。日経平均は一時400円近い上昇をみせる場面もあったが、買い戻しが一巡した後は、やや伸び悩み2万8500円台で前場の取引を終えている
米株式市場では長期金利の上昇一服などを背景に、ナスダック総合株価指数や主要な半導体銘柄で構成する米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は上昇した。東京市場でも米金利上昇で相対的な割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に買いが入った。
国内では11日、「政府は10月までをメドに新型コロナウイルスの水際対策で導入している1日あたりの入国者数の上限を撤廃する調整に入った」と伝わった。インバウンド(訪日外国人)関連に追い風になるとの見方から、空運や鉄道、百貨店株への買いも目立った。
買い一巡後は上げ幅を縮小する場面があった。市場では「前週後半からの急ピッチの相場上昇の反動で、利益確定の売りや戻り待ちの売りは出やすい」との声があった。
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。午前終値は前週末比12.62ポイント(0.64%)高の1978.15だった。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆1899億円、売買高は5億972万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1189と、全体の65%を占めた。値下がりは537銘柄、変わらずは109銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は空運業、精密機器、陸運業、小売業などが上昇した。下落は鉱業、海運業など。
個別では、レーザーテックや東エレク、アドバンテなどの半導体関連株が上昇。ファーストリテやソフトバンクグループ(SBG)、キーエンスなども大幅高、エムスリーやトレンドも買われた。レノバ、ソニーG、任天堂、メルカリなどのグロース株も上昇した。ほか、第1四半期が6四半期ぶり営業黒字となったgumi、持分法会社のバリオセキュアを連結子会社化するHEROZなどが急騰、日医工、トルク、エイチームなどが値上がり率上位に顔を出した。
一方、商船三井や日本郵船などの海運株が下落。トヨタ自やINPEX、三井住友や三菱UFJなどの金融株も軟調に推移した。東ソー、UBE、日揮HD、東電HDは下落した。第3四半期好決算もサプライズ乏しく出尽くし感が優勢となったクミアイ化学、営業益下振れ着地や減損計上をマイナス視されたポールHDなどが大幅安となった。ベステラ、レアジョブなどが値下がり率上位に顔を出した。
