ダウ反落137ドル安、欧米景気の悪化懸念

22日のNYダウ工業株30種平均は4日ぶりに反落し、前日比137ドル61セント(0.4%)安の3万1899ドル29セントで終えた。

欧米の景気悪化を示す経済統計の発表を受け、リスク資産である株式を売る動きが強まった。市場予想を下回る四半期決算を発表した一部ハイテク株の急落が相場全体に波及した。

画像・動画共有アプリを運営するスナップが前日夕に発表した2022年4~6月期決算は、広告の低迷により、収入、利益とも市場予想を下回った。さらに経済環境の不透明感を理由に7~9月期の業績見通しの開示を見送った。

広告事業を巡る懸念から来週に四半期決算の発表を控えるネット検索のアルファベットは6%安、交流サイト(SNS)のメタプラットフォームズは8%安とそれぞれ大きく売られ、投資家心理の悪化につながった。ダウ平均の構成銘柄ではスマートフォンのアップルや顧客情報管理のセールスフォースは朝高後、次第に売りに押される展開となった。

 

半面、四半期決算が市場予想を上回ったクレジットカードのアメリカン・エキスプレスは2%上昇した。日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)や医薬品・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)などディフェンシブ株も買われ、相場を下支えした。

市場では、決算発表が来週本格化するIT大手の業績への懸念が強まり、ハイテク株が売られた。

米S&Pグローバルが22日発表した7月の購買担当者景気指数(PMI、速報値)で米国の総合指数は4カ月連続で低下し、好不況の分かれ目になる50を割り込んだ。ユーロ圏の7月の同指数も3カ月連続で低下し、50を割り込んだ。

インフレの高止まりが消費などを抑え、欧米の景気後退入りが近づいているとの懸念が強まった。航空機のボーイングや建機のキャタピラー、化学のダウなど景気敏感株が下落し、ダウ平均の下げ幅は300ドルを超える場面もあった。

ナスダック総合株価指数は4日ぶりに反落し、前日比225.497ポイント(1.9%)安の1万1834.112で終えた。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株の下げが目立った。

 


【シカゴ日本株先物概況】

22日のシカゴ日経平均先物は反落した。9月物は前日比225円安の2万7640円で引け、22日の大取終値を250円下回った。
22日発表の7月の米購買担当者景気指数(PMI)を手掛かりに景気悪化への警戒感が広がり、日経平均先物は米株とともに売られた。大幅利上げが景気を冷やすとの懸念も根強かった。
NYダウは、IT大手の業績への懸念からハイテク株が売られ、反落した。

 

シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
27640 ( -250 )

シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
27665 ( -225 )

( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

22日のFTSE100種総合株価指数は小幅に続伸し、前日に比べ5.86ポイント(0.08%)高の7276.37で引けた。商品相場の上昇が支えとなり、エネルギー株や資源株に買いが入った。半面、金利低下で利ざやの悪化を警戒した売りが銀行株に出て、上げ幅は限られた。

個別銘柄を見ると、オンライン食品販売大手オカド・グループが5.1%高と急伸。賭け屋大手フラッター・エンターテインメントと学生向け住宅の開発・運営を手掛けるユナイト・グループも、それぞれ3.1%高、3.0%高と大きく買われた。

 

■ドイツ・フランクフルト株価指数

22日のドイツ株価指数(DAX)は3日ぶりに小幅に反発した。前日に比べ7.04ポイント(0.05%)高の1万3253.68で終えた。ドイツの長期金利の低下で高PER(株価収益率)のハイテク株の一角が買われた。半面、ドイツ景況感の悪化が投資家心理を圧迫し、上値は限られた。DAXでは、不動産大手ボノビアが6.5%高と上昇率トップ。業務用ソフトウエア大手SAPも4.5%高だった。

■フランス・パリ株価指数

フランスCAC40種指数は0.25%高だった。
前日の欧州中央銀行(ECB)理事会では0.50%利上げを決定した。一部では0.25%の利上げとの見方がなされていたが、インフレ抑制を重視する姿勢を鮮明にした。きょうは買いが先行しているものの、大幅利上げによる景気悪化懸念が上値を抑制しているもよう。

 

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