今週の新興市場は大幅に上昇した。
米長期金利が安定して推移するなか、インフレピークアウト期待と7月米連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利上げに対する警戒感の後退を背景に投資家心理が改善した。
日米主要企業の4-6月期決算発表の本格化を前に売り方の買い戻しも進んだとみられ、ナスダック総合指数が連日で大きく上昇するなか、東京株式市場でもグロース(成長)株を中心に買い戻しが加速した。
週間の騰落率は、日経平均が+4.20%であったのに対して、マザーズ指数が+5.17%、東証グロース市場指数は+5.25%だった
来週の新興市場は不安定な展開か。
26~27日にFOMCが開催される。これまでの米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事などの高官発言から既に0.75ptの利上げというコンセンサスができている。
実際、ミシガン大学消費者信頼感指数の長期期待インフレ率の低下などの経緯から0.75ptの利上げはほぼ確実だろう。
市場は9月の利上げ幅については0.75ptの利上げを確率として50%以上織り込んでいるが、米6月消費者物価指数(CPI)の発表直後からは低下している。パウエルFRB議長が記者会見で9月会合について、0.75ptの利上げ、場合によっては1.00ptの利上げに含みを持たすようなことがあると、相場はネガティブに反応する可能性が高いため、注意したい。
