26日午前の日経平均株価は小幅続落し、前引けは前日比17円52銭(0.06%)安の2万7681円73銭だった。東証株価指数(TOPIX)は2.17ポイント高の1945.38だった。
きょう前場の東京株式市場は模様眺めムードで買いが入りにくく、日経平均は目先筋の利益確定売りで下値を探る展開となった。あすにFOMCの結果発表とパウエルFRB議長の記者会見を控え、これを見極めたいとの思惑が上値を重くしている。ただ、下値では押し目買いの動きも観測され、日経平均は一時160円下落し、2万7500円台まで下押した後、下げ渋る展開となっている。27日にFOMCの結果公表を控えて積極的に持ち高を傾けにくく、日経平均は上げに転じる場面もあった。
中国・上海のロックダウン(都市封鎖)やウクライナ危機に伴う物価上昇で世界的な景気減速への警戒が強まっている。内閣府は25日、2022年度の実質成長率見通しを2.0%へ大幅に引き下げた(従来見通しは3.2%)。上海のロックダウンや物価高はこれから発表が本格化する国内の企業決算への影響も懸念される。
国内で新型コロナウイルスの感染が急拡大していることや、25日に国内で初めてウイルス感染症「サル痘」の感染者が確認されたことも投資家心理の重荷になった。
日経平均は13日から先週末まで7日続伸し、この間の上げ幅は1500円を超えたが、東証プライム市場の売買代金は一度も3兆円を超える日がなく、2兆円台半ば前後にとどまっていた。前日にいたっては、かろうじて2兆円台に乗せる程度で商いはかなり薄く、本日も前引け時点での売買代金は1兆1000億円程度だ。溜まっているエネルギーが各種イベント通過後に大きく動きだす可能性を考慮すると、今週後半の相場のボラティリティーは大きくなりそうだ。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆1217億円、売買高は4億4605万株だった。東証プライムの値下がりは631銘柄だった。値上がり銘柄数は1102と全体の約6割を占めた。変わらずは103銘柄だった。
セクターでは海運、その他製品、精密機器が下落率上位となった一方、鉱業、石油・石炭、保険が上昇率上位となった。
個別では、郵船や川崎汽船、商船三井が大きく下落。任天堂、リクルートHD、エムスリーのグロース(成長)株も冴えない。ほか、オムロン、テルモ、ニトリHDが軟調。日本電産は決算発表後に4日続落。米国民事訴訟での和解金として特別損失の計上を発表した日本ケミコン、第1四半期経常利益が2ケタ減となったコーエーテクモは大きく下落した。京王や小田急も安い。
一方、中国アリババグループが香港取引所でのプライマリー上場を申請すると発表したことを受けてソフトバンクGが大幅高。ロシアとドイツを結ぶ天然ガスパイプラインの稼働率が低下したことなどを背景に原油先物相場が上昇したことで、出光興産やINPEX、石油資源開発が大きく上昇し、大阪チタ、東邦チタニウム、大平洋金属など資源関連が全般強い動き。米長期金利の上昇を背景に第一生命HD、三菱UFJなど金融が堅調で、月次販売動向を手掛かりに神戸物産が大幅に上昇した。日立建機や安川電も買われた。好決算や業績予想の上方修正を発表したKOA、ダブル・スコープ、インソースが急伸し、東証プライム市場の値上がり率上位に並んでいる。
