「敢て払しょくしたくて」

「敢て払しょくしたくて」

易しいことを難しく語るのが専門家とか市場関係者。
そして割と根拠がないことも多い。
例えばPBRとPER。
PBRは純資産倍率だから企業の解散価値を図るのには役立つ。
しかしPERってどういう妥当性があるのだろうか。
株価収益率と言われるとなんとなく納得。
でも14倍割れたから割安とか16倍が限界なんて言っても根拠はなく経験則。
「株価÷1株利益」あるいは「時価総額÷純利益」がPER。
それはわかる。
しかしその意味するところは株価と会社の利益の関係。
だからどうなんだという気もする。
「その会社の過去のPERや将来の予想PERと比較すること」には使える。
「同業他社とPERを比較すること」にも使える。
でもそんな指標でしかない。
NYSEでは「伝統的に」14~20倍程度をコアとした株価収益率の推移を示してきた。
というのが学説。
しかし日本のバブル崩壊後は40~60倍と相当割高だった。
新興市場では成長性を期待した取引が中心だから60倍とか100倍もある。
こんな可変性のある尺度で物事を測る世界はあまりない。
むしろ・・・。
難しいことをやさしくさっそうと処理できる指標があればそれに越したことはない。
ただ、市場にかかわる専門家はやさしさを忌み嫌う傾向があるからややこしい。
所詮、経験則でしかないものに法則性を見つけて理論化するのは罫線も一緒だが・・・。
大体・・・。
「適正株価水準を説明せよ」なんて課題に仮説でなくまともに正解できる専門家はいないだろう。
もし「いる」としたらほとんど詐欺師チックだ。

だいたい・・・。
「業績が市場予想に届かなかった」というのも奇妙な解釈。
本来正解は会社側の数字であり、市場予想が間違ったということ。
ところがどこかで主客逆転し「届かなかった」会社が不正解になる。
「間違った方が正しい」とか「被害者が加害者」などいう逆転は、歴史の陰謀説も同様だが・・・。

2017年に「夏にご用心」の替え歌を紹介したのが7月25日。
自分でもあまり良くないイメージだったのが深層心理に警戒感があったのだろうか。
というのは後付講釈。
8月7日にFBに写真を乗せた。
軽井沢のゴルフ場の芝生のベンチに腰掛けてタバコを一服。
付けたコメントは「相場の行方は煙の先」。
当時のコメント。
「先週土曜の夜の東京駅のホーム。
のぞみからあさまに乗り換えるときに11号車のドアの前で声をかけられた。
「櫻井さん、いつも見てます。どちらまで?」。
グーグルとかツイッター以上に、世界は「世にも奇妙な物語」なのかも知れない」。
今週末も福岡空港ー東京駅ー軽井沢。
5年たってもやっていることは変わらない。
しかし「夏のご用心」のアノマリーを払しょくしたくて敢て載せる。

「夏にご用心」

夏は株価の脇を甘くするわご用心
為替が株価の裾をくすぐるのよご用心
それでも相場から離れなれない
悩ましげな悩ましげな円高くれば
誰かが不意に売付けするかも
あぶないあぶない
夏は本当にご用心 
春の高値のあとが
眩しく見える夏の後場

夏は危険な相場みたくなるわご用心
板がくちびる寄せてささやくのよご用心
それでも相場などやめられない
キラキラしたキラキラした値動きの下
素敵な株に誘惑されそう
あぶないあぶない
夏は本当にご用心
熟れた株価の化粧
こぼれて落ちる夏の後場

(櫻井)。

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