個別株物色の展開か

28日の日経平均株価は続伸し、2万7815円(前日比99円高)引け。朝方は、FOMC(米連邦公開市場委員会)後の米国株高を受け、買い先行となり、一時300円近く上昇し、2万8000円を回復する場面があった。
一巡後は、先物売りを交えて下げに転じた。円高進行も重しとなり、下げ幅は一時60円を超えた。その後はプラス圏に持ち直し、大引けにかけて2万7800円台で推移した。
主力どころではエムスリー、信越化学、ファナックなどが大幅上昇。中部電力が決算を受けて7%超上昇しており、東電HDや北海道電力など電力株全般に期待買いが入った。1Qの営業利益が前年同期比で倍増した東邦ガスが急伸しており、ガス株も軒並み高となった。特許査定に関するリリースを材料にアイビー化粧品がストップ高比例配分。原油高を手掛かりにINPEXが買いを集めた。
 
市場では、「過去にも2万8000円乗せ後にハネ返された経緯があり、売りが出やすい水準だ」との指摘があった。
 
 
 
あす29日の東京株式市場は、個別株物色の色彩が強まる可能性がある。
注目のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、市場予想通り0.75%の利上げを決定。その後のパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の記者会見で、次回以降の大幅な利上げへの警戒感が後退し、27日の米国株式が上昇し、日本株高につながった。29日に米6月個人所得・個人消費支出などの重要経済指標の発表を控えるが、とりあえず一大イベントを通過したことで、国内決算に目が向きやすくなる。
 
決算発表企業数は28日に140社以上、週末29日には400社超が予定されており、相次ぐ決算をにらみ短期的な売買が広がるとみられる。ただ、決算内容によっては急落する銘柄も散見され、「選別物色が重視される」との声が聞かれる。
 
 
 
■上値・下値テクニカル・ポイント(28日現在)
 
28935.55  ボリンジャー:+3σ(13週)
28705.13  ボリンジャー:+3σ(25日)
28420.15  均衡表雲上限(週足)
28361.46  ボリンジャー:+2σ(26週)
28263.81  ボリンジャー:+2σ(13週)
28092.95  ボリンジャー:+2σ(25日)
28068.25  均衡表雲下限(週足)
 
27815.48  ★日経平均株価28日終値
 
27767.23  6日移動平均線
27652.31  ボリンジャー:+1σ(26週)
27592.06  ボリンジャー:+1σ(13週)
27561.74  200日移動平均線
27480.77  ボリンジャー:+1σ(25日)
27293.53  均衡表転換線(日足)
27049.47   新値三本足陰転値
26954.99  均衡表雲上限(日足)
26954.99  均衡表転換線(週足)
26943.17  26週移動平均線
26928.72  均衡表基準線(日足)
26920.32  13週移動平均線
26868.67  均衡表雲下限(日足)
26868.59  25日移動平均線
26865.02  75日移動平均線
 
 
ローソク足は陰線を引いたが200日移動平均線を下回る場面はなく、上ヒゲは節目の28000円を突破。株価下ではともに上向きの25日線が75日線を下から上に抜いてゴールデンクロス(GC)を形成し、強い上昇トレンド入りを示唆した。
 
一目均衡表では三役好転下の強気形状にあって転換線と基準線が上向きで引け、短期的な上値追い継続を示唆。本日は変化日だったこともあり、今後の上放れ期待を高める形で取引を終えた。反面、東証プライム市場の騰落レシオ(25日ベース)は7月21日から過熱ラインの130%を上回って推移している。本日も137.76%と高水準だったため、潜在的な調整圧力の強まりにも留意が必要となろう。
 
 
 
 
 

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