28日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比332ドル04セント(1.0%)高の3万2529ドル63セントで終えた。
米商務省が朝方発表した2022年4~6月期の実質GDP(国内総生産)は、年率換算で0.9%減となり、2四半期連続でマイナスとなった。個人消費が減速したほか、住宅投資が大幅なマイナスに転じ、「景気が急速に悪化している」ことを示した。
ダウ平均は、景気後退懸念の高まりから、午前中に一時200ドル超下落したが、その後は持ち直して上昇に転じた。米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ抑制を最優先課題に据え、利上げを進める構えだが、急速な内需縮小や景気後退により「来年には利上げ方針を転換せざるを得なくなる」との声が上がった。
GDPを受け、米長期金利が一時は前日終値から0.14%低い2.64%を付けた。長期金利が低下すると相対的な割高感が薄れる高PER(株価収益率)銘柄の買いを誘い、ハイテク株の一角が上げた。ソフトウエアのマイクロソフトが3%高で終えた。
朝方発表の4~6月期決算が市場予想を上回った機械のハネウェル・インターナショナルが4%上げた。消費関連株の上昇も目立ち、スポーツ用品のナイキや小売りのウォルマートが高い。
ナスダック総合株価指数も続伸し、前日比130.170ポイント(1.1%)高の1万2162.593で終えた。米下院が半導体企業への支援法案を可決し、エヌビディアなど半導体株の一角が上昇。電気自動車のテスラも高い。一方、前日夕に市場予想を下回る決算と見通しを示した交流サイトのメタプラットフォームズは大幅に下げた。
【シカゴ日本株先物概況】
28日のシカゴ日経平均先物は反落した。9月物は前日比170円安の2万7850円で引け、28日の大取終値を40円上回った。
朝方発表の2022年4~6月期の米実質国内総生産(GDP)が2四半期連続のマイナス成長となり、景気悪化を警戒する売りが先行した。その後は、利上げペースの減速期待から米株が反発するにつれ、下げ幅を縮めた。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
27850 ( +40 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
27875 ( +65 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7345.25(-2.98)
28日のFTSE100種総合株価指数は小幅に反落し、前日に比べ2.98ポイント(0.04%)安の7345.25で引けた。金利低下で利ざや悪化を警戒した売りが銀行株に出た。
FTSEでは約6割の銘柄が上昇した。とりわけ産金大手フレスニロ(6.5%高)、資産運用大手シュローダーズ(6.2%高)の上げ幅が大きかった。一方、医療機器大手スミス・アンド・ネフュー(11.4%安)、通信大手BTグループ(8.1%安)は売り込まれた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13282.11(+115.73)
28日のドイツ株価指数(DAX)は続伸した。前日に比べ115.73ポイント(0.88%)高の1万3282.11で終えた。世界景気の悪化懸念で、欧州中央銀行(ECB)が大幅な利上げを進めにくくなるとの期待から、幅広い銘柄に買いが広がった。
DAXでは、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が3.7%高、金融大手ドイツ銀行が3.6%高、高級スポーツカー大手ポルシェが3.5%高と買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6339.21(+81.27)
フランスCAC40種指数は1.30%高だった。
米国ではFOMC後の記者会見でパウエルFRB議長は利上げペース減速の可能性を示唆し、過度な金融引き締めへの警戒感が後退した。
