13日のNYダウ工業株30種平均は4日続落し、前週末比876ドル05セント（2.8%）安の3万0516ドル74セントと年初来安値を更新した。
下落は4営業日連続で、下げ幅の合計は2600ドル超に達した。投資家が重視するS＆P500種株価指数は、1月初旬の最高値から2割超下落し、市場参加者が先行きを悲観的にみており、相場は上向きにくくなるとされる「弱気相場」入りした。
インフレ抑制のため米連邦準備理事会（FRB）が積極的に金融を引き締め、米景気が冷え込むと警戒した売りが幅広い銘柄に出た。米長期金利が午後に上昇幅を広げると株売りが加速した。
ナスダック総合株価指数は4日続落し、前週末比530.799ポイント（4.7%）安の1万0809.225で終えた。
S&P500種株価指数の終値は151.23ポイント安の3749.63だった。いずれも年初来安値を更新した。S&P500種は1月3日の過去最高値（4796.56）から22%下落した。
FRBは14～15日の米連邦公開市場委員会（FOMC）で0.5%の利上げを決めると予想されている。ただ、10日発表の5月の米消費者物価指数（CPI）が市場予想以上に上昇し、市場の一部では利上げ幅が0.75%以上になるとの観測も出ている。金融引き締め加速が米経済や企業収益を押し下げるとの警戒感が高まった。
13日の米債券市場で長期金利は午後に一段と上昇し、一時は前週末比0.28%高い3.44%と2011年以来の高水準を付けた。株式の相対的な割高感が意識され、ダウ平均は取引終了にかけて下げ幅を広げ一時1019ドル安まで下げた。
市場では、急激な金融引き締めにより、景気後退を招くとの懸念も台頭。米銀エコノミストは、物価上昇圧力が強まっている現状を踏まえ、「（景気後退と物価上昇が同時に起こる）スタグフレーションのリスクが高まっている」と指摘があった。
長期金利が上昇すると相対的な割高感が意識されやすい高PER（株価収益率）のハイテク株が売られ、顧客情報管理のセールスフォースが7%安、ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルはともに4%安で終えた。
景気敏感株の下げも目立ち、航空機のボーイングは9%下落。化学のダウや建機のキャタピラーも大きく下げ、JPモルガン・チェースなど金融株も安い。クレジットカードのアメリカン・エキスプレスなど消費関連株も売られた。
投資家心理を図る指標となる米株の変動性指数（VIX）は前週末比23%高い34.02と30を上回った。
NYダウ工業株30種（ドル）
30,516.74－876.05
S&P500種
3,749.63－151.23
ナスダック
10,809.225－530.799
FTウィルシャー5000
37,992.74－1,619.55
NY金（ドル/トロイオンス）
1,831.80－43.70
NY原油（ドル/バレル）
120.71－0.22
円・ドル
134.42 – 134.47－0.17
【シカゴ日本株先物概況】
13日のシカゴ日経平均先物は大幅に続落した。9月物は前週末比950円安の2万6375円で引け、13日の大取終値を465円下回った。
週明け13日のニューヨーク株式相場は、米連邦準備制度理事会（FRB）の積極的な利上げによる景気後退懸念が強まり、急落した。9月物は一時2万6310円まで下げた。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
26375 ( -465 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
26450 ( -390 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7205．81（－111．71）
13日のFTSE100種総合株価指数は5日続落した。前週末に比べ111.71ポイント（1.53%）安の7205.81で引けた。13日発表の4月の英国内総生産（GDP）が市場予想に反して減少し、英経済の成長鈍化を警戒した売りが出た。中国・北京市で新型コロナウイルスの集団感染が発生し、行動規制の強化が需要を抑制するとの懸念から資源株への売りが目立った。
個別銘柄を見ると、英ホテル大手インターコンチネンタルホテルズグループが7．9％安と軟調。スイス資源大手グレンコアは4．8％安とさえなかった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13427．03（－334．80）
13日のドイツ株価指数（DAX）は大幅に5日続落した。前週末に比べ334.80ポイント（2.43%）安の1万3427.03で終えた。インフレが長期化するとの見方から、米連邦準備理事会（FRB）や欧州中央銀行（ECB）が金融引き締めを積極化するとの観測が強まった。高インフレと利上げがユーロ圏の成長鈍化につながることを懸念した売りが出た。DAXでは独料理宅配大手デリバリーヒーローが12％超の急落だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6022．32（－164．91）
フランスCAC40種指数は2．67％安となった。世界的にインフレが進行する中、米連邦準備制度理事会（FRB）などの積極的な利上げが景気を腰折れさせるという懸念が広がった。
CACでは仏自動車大手ルノーが7．4％の大幅安となった。
