今週の新興市場は世界的な金融引き締めを警戒したリスク回避の動きが強まり、大幅に下落した。米5月消費者物価指数(CPI)が予想を上回り、40年ぶりの高い伸びとなったことでインフレピークアウト期待が消失。連邦公開市場委員会(FOMC)では米連邦準備制度理事会(FRB)が予想通り27年ぶりとなる0.75ptの利上げを決定したほか、スイス国立銀行(中央銀行)が予想外に2007年以来の利上げに踏み切り、英イングランド銀行(同)も5会合連続での利上げを実施、世界的な金融引き締めの加速が警戒された。
週間の騰落率は、日経平均が-6.69%であったのに対して、マザーズ指数は-9.61%、東証グロース市場指数は-9.42%だった。
来週の新興市場は上値の重い展開が予想される。
インフレを抑制するために世界各国の中央銀行が引き締めを急いでいる。物価指標の上振れなどでインフのレピークアウトが見通せないなか、利上げペースの更なる加速も十分に考えられる。将来の長い期間にわたる収益に基づいて株価バリュエーションが決まる新興株にとっては、金利上昇が重荷となる。米10年債利回りは14日に付けた3.48%をピークにその後は低下しているが、まだ予断を許さないだろう。
22~23日にはパウエルFRB議長の半年に一度の議会証言も予定されている。金利先高観がくすぶるなか、新興株は安値圏にあっても本格的なリバウンドを期待しづらいだろう。
