ダウ反発641ドル高、短期の買い戻し

 

21日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前営業日の17日に比べて641ドル47セント(2.1%)高の3万0530ドル25セントで終えた。終値で3万ドル台を回復したのは15日以来。
 
米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑制のために急速に利上げを進めることで景気後退を招くとの懸念が強まる中、不安定な株価が続いている。21日は最近の大幅安を受けて値頃感が意識され、寄り付きから積極的な買いが入った。
中でも前週に大きく下落したエネルギー株が全体の上げをけん引。原油高も追い風となった。また、ハイテク大手や半導体株の伸びも目立った。
 
ダウ平均は前週に週間で4.8%安と今年最大の下落率となり、前週までの2週間で3000ドルあまり下げていた。機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は6月に入り17日までに11%下落。複数のテクニカル指標は相場が「売られすぎ」と示唆しており、短期的な戻りを見込んだ買いが入った。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインが18日に節目の2万ドルを割り込んで急落した後、再び2万1000ドル近辺に値を戻しているのも投資家心理を支えた。
 
午後に買いの勢いが強まり、ダウ平均は上げ幅を765ドルまで広げる場面があった。金融引き締めや米景気悪化への懸念は根強い一方、「急激な下げが続いた後で短期的には相場が上昇に転じるとの見方が強まっていた」との声があった。
 
米原油先物相場の反発を受け、石油のシェブロンが大幅に上昇した。スマートフォンのアップルや顧客情報管理のセールスフォースなどハイテク株の上昇も目立った。クレジットカードのビザなど消費関連の一角も高い。医療保険のユナイテッドヘルス・グループや医薬品のメルクなどディフェンシブ株も買われた。米長期金利の上昇を受けてJPモルガン・チェースなど金融も高い。
 
ナスダック総合株価指数は続伸し、前営業日と比べて270.952ポイント(2.5%)高の1万1069.302で終えた。電気自動車のテスラが9%高で終えた。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が同日、米メディアのインタビューで人員削減の方針を示したのに加え、テスラ車の需要の強さを指摘したことが好感された。ネット検索のアルファベットも4%上げた。動画配信のネットフリックスと傘下のグーグルの間で広告提携についての協議が進んでいると伝わり、好感する買いが入った。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
30,530.25+641.47
S&P500種
3,764.79+89.95
ナスダック
11,069.302+270.952
FTウィルシャー5000
38,129.38+882.36
NY金(ドル/トロイオンス)
1,838.80-1.80
NY原油(ドル/バレル)
109.65+1.66
円・ドル
136.64 – 136.69+1.42
 


【シカゴ日本株先物概況】

21日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は3連休前の前週末に比べ510円高の2万6440円で引け、21日の大取終値を210円上回った。

値ごろ感からの買いや海外市場の流れを受けて、寄り付き後、上昇。バイデン大統領が「景気後退は避けられる」との考えを示したため、景気後退への脅威も緩和し、この日の米株式市場ではハイテク株などに自律反発狙いの買いが入った。主要株価指数が軒並み上昇し、日経平均先物の買いを支えた。

 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
26440 ( +210 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
26500 ( +270 )
( )は大阪取引所終値比
 
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7152.05(+30.24)
21日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日に比べ30.24ポイント(0.42%)高の7152.05で引けた。原油相場の上昇でエネルギー株が買われた。非鉄金属相場の下落も一服し、資源株にも買いが入った。
FTSEでは、産銅大手アントファガスタ(3.0%高)や資源大手リオ・ティント(2.4%高)、同グレンコア(2.1%高)、石油大手シェル(1.9%高)などが買われた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13292.40(+26.80)
21日のドイツ株価指数(DAX)は3日続伸した。前日に比べ26.80ポイント(0.20%)高の1万3292.40で終えた。値ごろ感を意識した買いが自動車や化学株に入った。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5964.66(+44.57)
フランスCAC40種指数は0.75%高だった。
銅や原油など商品相場の上昇を好感し、エネルギーや資源関連株が堅調だった。
 

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