NYダウ反発321ドル高、金利低下が支え

1日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比321ドル83セント(1.0%)高の3万1097ドル26セントで終えた。
米長期金利の低下が株式相場を支えた。ハイテク株の一角が買われたほか、景気動向に業績が左右されにくいディフェンシブ株が上昇した。3連休となる週末を前に持ち高調整の買いが入り、取引終了にかけ上げ幅を広げた。
 
ダウ平均は午前中に287ドル下落する場面もあった。
米サプライ管理協会(ISM)が午前に発表した6月の米製造業購買担当者景況指数(PMI)は53.0となり、前月から低下した。市場予想(54.9=ロイター通信調べ)も下回った。インフレと米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げなどを背景にした製造業の減速を裏付けた。ただ、価格指数が低下し、インフレがやや緩和した可能性を示唆した。「FRBの利上げペースが緩和し、来年夏には利下げに踏み切る恐れもある」との声も上がった。
 
長期金利は、一時前日比0.22%低い(債券価格は高い)2.79%と1カ月ぶりの低水準をつけた。長期金利が低下すると買われやすい高PER(株価収益率)のハイテク株が上昇し、顧客情報管理のセールスフォースやスマートフォンのアップルが買われた。外食のマクドナルドや飲料のコカ・コーラ、通信のベライゾン・コミュニケーションズなど配当利回りが相対的に高いディフェンシブ株の上昇も目立った。
 
4日は独立記念日の祝日で米株式市場は休場となる。3連休前とあって、足元で下落が目立った景気敏感株の一角も買い直された。航空機のボーイングと映画・娯楽大手のウォルト・ディズニーが高い。
 
アトランタ連銀が月次統計をもとに米実質国内総生産(GDP)を算出する「GDPナウ」は1日、4~6月期の経済成長率を6月30日時点の前期比年率1.0%減から2.1%減へとさらに引き下げた。1~3月期に続き、2四半期連続のマイナス成長となれば、テクニカルリセッション(景気後退)とみなされる。
 
ナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反発し、前日比99.109ポイント(0.9%)高の1万1127.845で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや電気自動車のテスラが上昇した。前日夕に低調な業績見通しを発表した半導体メモリーのマイクロン・テクノロジーが下落し、エヌビディアなど他の半導体銘柄にも売りが波及した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
31,097.26+321.83
S&P500種
3,825.33+39.95
ナスダック
11,127.845+99.109
FTウィルシャー5000
38,772.18+433.60
NY金(ドル/トロイオンス)
1,801.50-5.80
NY原油(ドル/バレル)
108.46+2.70
円・ドル
135.24 – 135.26-0.95
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

 
1日のシカゴ日経平均先物は小幅に下げた。9月物は前日比80円安の2万6310円で引け、1日の大取終値を480円上回った。
朝方は米景気の後退懸念を背景に売りが先行した。その後、米長期金利の低下を受けて米株が反発するにつれ、日経平均先物は下げ幅を縮めた。今週末の3連休を控え、持ち高調整の動きもみられた。
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

1日のFTSE100種総合株価指数は小幅に3日続落した。前日に比べ0.63ポイント(0.01%)安の7168.65で引けた。欧米の中央銀行による金融引き締めが世界経済の成長鈍化を招くとの見方から、資源株やエネルギー株に売りが出た。一方、前日に売られていた銘柄を中心に値ごろ感を意識した買いが入り、相場を支えた。
FTSEでは、指数構成銘柄の5割超が上昇した。しかし、銅など商品相場の下落により、資源大手グレンコア(4.2%安)や鉱業大手アングロ・アメリカン(3.9%安)、産銅大手アントファガスタ(2.9%安)など資源関連株が値下がりし、指数を押し下げた。
 
 

■ドイツ・フランクフルト株価指数

1日のドイツ株価指数(DAX)は3日ぶりに反発した。前日に比べ29.26ポイント(0.23%)高の1万2813.03で終えた。前日までの2日間で大きく下落したため、値ごろ感を意識した買いが入った。公益事業株などが買われた。
 

■フランス・パリ株価指数

フランスCAC40種指数は0.15%高だった。
利上げによる景気後退への懸念から、軒並み下落して始まった。しかし、6月の米製造業購買担当者景況指数(PMI)がさえない結果となったことで、米国の積極的な利上げへの懸念が和らぎ、反発した。

 

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